映画

『地上より永遠に』

1953年のアメリカ映画。舞台は1941年のハワイ、スコーフィールド陸軍基地。転属してきたばかりのブルウィット上等兵(モンゴメリー・クリフト)は上官から執拗ないじめにあう。回りの勧誘にもかかわらずボクシングの大会に出ることを固辞しているからだ。「…

『突撃』

1957年公開のアメリカ映画、監督・脚本は『2001年宇宙の旅』や『時計仕掛けのオレンジ』、『フルメタル・ジャケット』のスタンリー・キューブリック。第一次大戦下の1914年、ドイツ軍と交戦中のフランスが舞台。 硬直した戦況を打開すべく、ダックス大佐はド…

『ガンジー』

マハトマ・ガンジーの伝記、1982年公開の映画だ。帝国主義の植民地としてインドは1877年以降大英帝国により統治されていた。それから70年後の1947年にインドは独立したのだが、その立役者、インド独立の父といわれているのがマハトマ・ガンジーだ。 広大な植…

『ブレードランナー』

2019年のロサンゼルスを舞台にしたSF映画。ブレードランナーとは人間に反旗を翻したロボット「レプリカント」を探し出し、抹殺する特捜班のこと。ハリソン・フォード演じるデッカードは引退した元ブレードランナー。ロサンゼルスの街に紛れ込んだ4人のレプリ…

『自転車泥棒』

第二次大戦後間もない1948年のイタリア映画。主人公のアントニオは妻と二人の子供がいるが仕事がない。職安で2年ぶりに得た仕事はポスター貼り。条件は自前の自転車があること。しかし貧しいアントニオは自分の自転車を質入していた。妻のマリアが結婚の時に…

『天使と悪魔』

2009年公開の映画『天使と悪魔』を観た。原作はダン・ブラウンの小説。大ヒットした映画『ダ・ヴィンチ・コード』に続く映画化だが、原作が書かれたのは『天使と悪魔』のほうが先。ヴァチカンを舞台に図像学者ロバート・ラングドンが活躍する。 ヴァチカンで…

『カサブランカ』

第二次大戦中、仏領モロッコのカサブランカ、そこはドイツに占領されたフランス本国からアメリカへ逃げる中継地点として賑わっていた。この街で酒場を経営するリック(ハンフリー・ボガート)は、昔パリでイヴォンヌ(イングリッド・バーグマン)という女性…

『バージニア・ウルフなんかこわくない』

まるで言葉の格闘技(外乱闘有り)。全編を通して激しい舌戦が繰り広げられる会話劇。40年以上前、1966年のモノクロ作品だ。歴史学の助教授ジョージ(リチャード・バートン)とその妻マーサ(エリザベス・テイラー)がパーティーから帰宅するところからこの…

『K−20 怪人二十面相・伝』

2008年暮れに公開された映画。遠藤平吉(金城武)はサーカスの人気軽業師。眼にもとまらぬ身のこなしで拍手喝采を浴びる。平吉はある日、謎の男(鹿賀丈史)の依頼で名探偵明智小五郎(仲村トオル)と財閥令嬢の羽柴葉子(松たか子)との結納の様子を盗撮す…

『時計じかけのオレンジ』

近未来を描いたスタンリー・キューブリック監督作品、公開は1971年。大阪万博の翌年、あの頃の未来ね…。新しいのだけれど古い「昔の未来」はどこか懐かしい匂いがする。大阪万博が明るい未来なら、この映画は退廃した暗い未来。 主人公アレックスは学校にも…

『黄金狂時代』

チャップリンの『黄金狂時代』(The Gold Rush)を観た、「タイトルは知ってるけど観たことがない映画を観てみよう運動」の一環だ。ゴールドラッシュのアラスカ、一攫千金を夢見て幾千人もの男たちが集まる。一人峠を越えるチャーリー(チャールズ・チャップ…

『市民ケーン』

個人的に実施している「タイトルは知ってるけど観たことがない映画を観てみよう運動」の一環で『市民ケーン』を観た。映画史に燦然と輝く名作中の名作だ。この映画が公開されたのが1941年。当然モノクロ画面+モノラル録音。当時として画期的な技術やアイデ…

『ブラックサイト』

2008年公開のアメリカ映画。Webカメラで殺人が実況中継される。そのサイトへのアクセス数が増えるにつれ犠牲者は死に近づく。原題はUntraceable(アントレィサブル:追跡不能)。高度な知識をもつ犯人のサイトは誰でも見にいけるのだが、当局による封鎖がで…

『フルメタル・ジャケット』

1987年、スタンリー・キューブリック監督が世に放った作品。タイトルの「フルメタル・ジャケット」とは「完全被甲弾」。全体がメタルで覆われたため貫通性が高い弾丸のことだ。ベトナム戦争を描いたこの映画は3部構成。第一部は主人公のジョーカーが海兵隊の…

『荒鷲の要塞』

先日読んだアリステア・マクリーンの小説『荒鷲の要塞』が非常に面白かったのでDVDを借りてきた。舞台は第二次大戦中のドイツ。イギリス軍のスミス少佐ら7人はドイツ南部、オーストリアとの国境付近にあるシュロス・アドラー(鷲の城)へと向かう。ここに捕…

『アパートの鍵貸します』

C.C.バクスターは明るい性格だが頼まれると断れないタチ。彼は従業員3万人を超える大手保険会社の平社員。大きなビルの19階にある保険料計算課、体育館のような広いオフィスで電算機に向かうのが仕事だ。彼はセントラルパーク近くにある家賃85ドルのアパート…

『お熱いのがお好き』

1929年、禁酒法下のシカゴ、サックス奏者のジョーとベーシストのジェリーは偶然ギャングの抗争の目撃者になってしまう。命を狙われることになった二人はマイアミへ演奏旅行に行く楽団に紛れ込み、シカゴを抜け出すことにする。しかしこの楽団は女性だけの楽…

『勝手にしやがれ』

『勝手にしやがれ』(À bout de souffle) 1959年、ヌーヴェルヴァーグの旗手ジャン=リュック・ゴダール監督が初めて世に出した長編映画・・・・なんて予備知識は一切持たずに『勝手にしやがれ』を観た。個人的に取り組んでいる「タイトルは知ってるけど観てい…

『博士の異常な愛情』

『博士の異常な愛情』 タイトルだけは知っているのだけれど、実際には観たことがない、そんな映画のDVDを借りてきては観ている。『2001年宇宙の旅』で有名なスタンリー・キューブリック監督の1964年の作品。キューブリック監督最後のモノクロ作品だという。タ…

『舞妓Haaaan!!!』

「面白かったですよー」ランチタイムの喫茶店でカレーを食べながら勤め先の後輩に勧めらた。舞妓さんオタクのサラリーマン鬼塚公彦が、京都のお茶屋で舞妓さんと野球拳をするという夢に向かって猛進するドタバタコメディ、2007年公開。主役の阿部サダヲも小…

『半落ち』

2004年公開の映画『半落ち』を観た。横山秀夫のベストセラー小説を寺尾聡の主演で映画化したものだ。アルツハイマーの妻啓子(原田美枝子)の首を絞めて殺したと自首してきた梶聡一郎(寺尾聡)は警察官だった。梶は犯行を認めているのだが、殺害から自首ま…

『エデンの東』

ジェームス・ディーンの初主演映画『エデンの東』を観た。1955年公開のこの作品でジェームス・ディーンはアカデミー賞の最優秀主演男優賞にノミネートされ世界中から注目を浴びたのだが、同年9月、交通事故で帰らぬ人となった。夭折した伝説のスター、彼の出…

『感染列島』

今年1月公開の映画、『感染列島』を観た。この映画が公開された頃、「パンデミック」という言葉はまだ聴きなれていなかった。インフルエンザウィルスやその変異についても何も知らなかった。それから数ヵ月後にメキシコで豚由来の新型インフルエンザが発症…

『ミラーズ』

2008年アメリカのホラー映画を観た。大火災の後放置され廃墟となったデパート(怖っ!)が舞台。店内は火災の後が生々しいのだが、数多く残された鏡だけはピカピカに磨かれている。ピカピカな鏡に手の跡がついているのだけれど、この手の跡は拭いても消えな…

『12人の優しい日本人』

12人の優しい日本人 [DVD]出版社/メーカー: パイオニアLDC発売日: 2000/10/25メディア: DVD クリック: 108回この商品を含むブログ (311件) を見る 1991年の映画『12人の優しい日本人』を観た。いうまでもなくアメリカ映画『12人の怒れる男』を下敷きにした三…

『タクシードライバー』

1976年アメリカ映画「タクシードライバー」を観た。主演のロバート・デ・ニーロは当時まだ30そこそこ。そして彼の運命を大きく変える幼い売春婦を当時13歳のジョディー・フォスターが演じている。カンヌでパルム・ドール受賞、この作品の影響でレーガン大統領…

『カッコーの巣の上で』

年下の人間に何か命令をしたとき、「どうしてですか?」と真顔で問われて目が点になることがある。複雑な事情がある中で選んだ結論とかならわかる、いくらでも説明しよう。困るのは「えっ?普通こうでしょう・・・」というようなシンプルな事の場合。ため息まじ…

『12人の怒れる男』

1957年のアメリカ映画。父親をナイフで殺したという少年の裁判で、12人の陪審員が激論の末に全員一致の結論を出すまでのお話。出した結論が有罪ならば容疑者少年は電気椅子に座ることになる。場面は冒頭とエンディングの数分以外すべて陪審員にあてがわれた…

『ハンコック』

『ハンコック』 子供の頃考えた。ウルトラマンが戦った後の街って、誰が修理するんだろう?ウルトラマンに踏まれて死んじゃった人っていないのかな?それと比べて、等身大のヒーローである仮面ライダーは人に迷惑をかけないから罪が無い。そう思っていたのだ…

『滅びのチター師』

エビスビールCMの「あの曲」がきっかけで観た名画『第三の男』について先週このブログに書いた。そしてその中で、この映画の音楽について疑問に思った事、音楽を担当したアーントン・カラスについて、軍司貞則という人が『滅びのチター師』という本を書いて…