2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『フルメタル・ジャケット』

1987年、スタンリー・キューブリック監督が世に放った作品。タイトルの「フルメタル・ジャケット」とは「完全被甲弾」。全体がメタルで覆われたため貫通性が高い弾丸のことだ。ベトナム戦争を描いたこの映画は3部構成。第一部は主人公のジョーカーが海兵隊の…

『虚人のすすめ』

「100%絶賛」という本にめぐり合うことはほとんどない。「大方OKなんだけど、この章だけは納得できない」「半分読み飛ばしたけど、50%位はためになったナ」こんな本が多いのが現実。『虚人のすすめ』はページ数でいったら「7割NG、2割まぁまぁ、でも1割最高…

『荒鷲の要塞』

先日読んだアリステア・マクリーンの小説『荒鷲の要塞』が非常に面白かったのでDVDを借りてきた。舞台は第二次大戦中のドイツ。イギリス軍のスミス少佐ら7人はドイツ南部、オーストリアとの国境付近にあるシュロス・アドラー(鷲の城)へと向かう。ここに捕…

『アパートの鍵貸します』

C.C.バクスターは明るい性格だが頼まれると断れないタチ。彼は従業員3万人を超える大手保険会社の平社員。大きなビルの19階にある保険料計算課、体育館のような広いオフィスで電算機に向かうのが仕事だ。彼はセントラルパーク近くにある家賃85ドルのアパート…

『稼げる人、稼げない人』

どんな会社も収益を得ることで存在している。しかし会社に勤める人の全員が収益を得ることに直接かかわっているわけではない。営業に携わる人は自分の行動がどのくらいの収益につながるかを具体的な数字として実感できるが、それ以外の業務をやっていると実…

アルバイトの思い出

およそ四半世紀前のこと。アルバイトで生計を立てていた時期があった。当時は「フリーター」なんて言葉はまだなかったけれど、二十歳前の自分はそのはしりだった。バイトしてたのは学生街の喫茶店。江戸っ子の店長と東北出身のマスター、あとは学生アルバイ…

『シェイクスピアのたくらみ』

著者の喜志哲雄は京大の名誉教授。英文学と演劇学の専門家、シェイクスピア劇のオーソリティーだ。シェイクスピアは言わずと知れた天才劇作家。その作品を見る観客はシェイクスピアが繰り出す虚構の世界に浸り、魅了され、幸福なひと時を味わう。いくらかの…

『ヴェローナの二紳士』

イタリア北部の街ヴェローナ生まれの若い紳士、ヴァレンタインとプローテュースの二人は幼なじみの親友だ。ヴァレンタインは見聞を広めるため、ミラノ大公の宮廷へ旅立とうとしている。一方のプローテュースはジュリアという娘に恋をしていてメロメロ状態。…

先制ありがとう張り紙

最近、お店などでやたら目にするトイレの張り紙。当店のトイレをきれいにご利用いただき、誠にありがとうございます・・・。トイレに入るやいなや目に飛び込んでくる。「きれいにご利用」できるかどうか、まだわからない時点で「誠にありがとうございます」とお…

『お熱いのがお好き』

1929年、禁酒法下のシカゴ、サックス奏者のジョーとベーシストのジェリーは偶然ギャングの抗争の目撃者になってしまう。命を狙われることになった二人はマイアミへ演奏旅行に行く楽団に紛れ込み、シカゴを抜け出すことにする。しかしこの楽団は女性だけの楽…

『勝手にしやがれ』

『勝手にしやがれ』(À bout de souffle) 1959年、ヌーヴェルヴァーグの旗手ジャン=リュック・ゴダール監督が初めて世に出した長編映画・・・・なんて予備知識は一切持たずに『勝手にしやがれ』を観た。個人的に取り組んでいる「タイトルは知ってるけど観てい…

『さまよう刃』

会社員の長峰重樹は高校生になったばかりの娘を殺された。5年前に妻を亡くし、愛する娘も失った。打ちひしがれ、絶望の淵にいる長峰のもとに、未だ捕まっていない犯人の所在を告げる電話がかかる。半信半疑ながらも告げられた住所を訪ねた長峰は衝撃の事実を…

『春の城』

以前、書店で偶然見つけ読んでみた『大人の見識』という本で阿川弘之という作家を知った。穏やかで優しい言葉に人生の後輩への思いが込められている。タイトルそのものではないが「見識ある大人」の姿を見た。そんな阿川弘之が自らの戦争体験をつづった小説…

『秘密のミャンマー』

インドシナ半島の西側の付け根、西はインドとバングラディシュ、北は中国、東はタイ、ラオスと国境を接する国ミャンマー。軍事政権に軟禁されているアウンサンスーチー女史がらみで時折ニュースになる以外、この国の名が話題に上る事はきわめて少ない。そん…

あすなひろし

『青い空を白い雲がかけてった』は中学生のツトムと両親、幼なじみの女の子ヨシベエ、番長、担任の夏子先生といった面々の楽しい日常を描いた漫画。1970年代後半、当時の人気少年誌だった少年チャンピオンに不定期に掲載されていた。その作者、あすなひろし…

『プロの残業術。』

私的残業。この何とも不思議なコトバが本書のキーワードだ。著者によると、自ら楽しんでする「自分のための残業」が「私的残業」の定義だ。同僚達がみな帰り、外部からの電話もかかってこない。残業タイムは自分のペースで仕事ができる、ゴールデンタイムな…

『間違いの喜劇』

瓜二つの二人、他人はもちろん、親族や配偶者でさえ見分けるのに苦労するくらい何から何までソックリの双子がいたら、そりゃぁヤヤコシイだろう。まして二組4人の双子がいたとしたら大混乱だ。シェイクスピアの『間違いの喜劇』を読んだ。タイトルにある「間…

『十五少年漂流記』

1899年、ハワイ北のパール・アンド・ハーミーズ環礁で難破した龍睡丸の乗組員達がたどりついた無人島での記録、須川邦彦による『無人島に生きる十六人』という本を以前読んだ。危機的状況の中、明るく生き抜いた明治の男達の実話なのだが、椎名誠がこの本の…

『AQUA NOME』

『AQUA NOME』 EPO 80年代を疾走したPOPでキュート、オシャレなサウンド。泥臭くない、ヨーロピアンなテイスト、「才能」って言葉が似合うEPOの音楽が好きだった。メディアで取り上げられることは少なくなったけれど、創作活動を続けていることは知っていた…

『不揃いの木を組む』

宮大工という職業がある。神社やお寺を専門とする大工のことを普通の大工と区別して宮大工というのだ。著者の小川三夫は宮大工。鵤(いかるが)公舎という、宮大工の徒弟集団の舎主でもある。この本には著者が弟子達を育ててきた中で培った教育論が書かれて…

『博士の異常な愛情』

『博士の異常な愛情』 タイトルだけは知っているのだけれど、実際には観たことがない、そんな映画のDVDを借りてきては観ている。『2001年宇宙の旅』で有名なスタンリー・キューブリック監督の1964年の作品。キューブリック監督最後のモノクロ作品だという。タ…

『ロードス島攻防記』

地中海の東、クレタ島とキプロスの間に横たわるオリーブの実のような形の島ロードス。面積は沖縄本島より少し広いくらいで、夏は涼しく冬も温暖。現在はギリシア領だが、石器時代から人が住んでいた。ルネッサンス時代のキリスト教徒にとってのこの島は、145…

台風

今年は台風が少ない。新聞によると9月末までに沖縄に接近した台風は1つだけで、これは統計を取り始めた1951年以来最少記録、北海道・本州・四国・九州に接近した台風は2つだけでこちらは最少タイ記録らしい。おぉ、そういえば台風来てなかったなぁと気がつい…