『ブラックサイト』
2008年公開のアメリカ映画。Webカメラで殺人が実況中継される。そのサイトへのアクセス数が増えるにつれ犠牲者は死に近づく。原題はUntraceable(アントレィサブル:追跡不能)。高度な知識をもつ犯人のサイトは誰でも見にいけるのだが、当局による封鎖ができない。FBIサイバー犯罪課のマーシュ(ダイアン・レイン)がこの追跡不能の敵に挑む。
サイトを訪れる市民に悪意はない。あるのは軽い好奇心。市民の軽い好奇心が人の命を奪うという設定がこの映画のすごい所だ。自宅の居間や職場のパソコンで、コーヒーカップ片手に「へぇースゲェや」とか言いながら殺人の片棒を担いでしまうのだ。しかしその姿は映画に登場しない。具体化せぬことで、映画を観る者の心にある軽い好奇心を告発する。自分は絶対見にいかない!と断言できるだろうか。
ネット世界の自由と匿名性は、それが現実世界に害を及ぼさないという前提の上に成り立つ。しかし現実はどんどん良くない方へ向かっているようだ。高度化するハッキングやコンピュータウィルス、学校裏サイトでのいじめやネトゲ廃人、サイバーテロなんて言葉も出てきた。
電話代を気にしながらパソコン通信で趣味の世界を楽しんでいた頃は平和だったなぁとつくづく思うのだけれど、もうあの頃には戻れないのだ。
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