読書

『トヨタの片づけ』

あなたのデスクまわりは、こんな状態ではありませんか?本書は冒頭で読者に問いかける。「必要な書類を探すのに10秒以上かかる」「1週間以上使っていない文房具がある」「引き出しのいちばん奥にあるモノが何かを即答できない」「デスクの上にありながら、1…

『三匹のおっさん ふたたび』

有川浩の『三匹のおっさん ふたたび』を読んだ。あらためて言うまでもないが、去年の夏に読んだ『三匹のおっさん』(2009年初版)の続編だ。三匹のおっさんとは、定年後系列のアミューズメントパーク「エレクトリック・ゾーン」に嘱託となった剣道の達人キヨ…

『日本人としてこれだけは学んでおきたい政治の授業』

著者の屋山太郎は1932年生まれの評論家で元時事通信社の記者。記者時代にはフランスやスイスに特派員として駐在していたそうだ。この本は2011年8月、松下政経塾で開催された「歴史観・国家観養成講座」という講座の講義録。論旨が明確で、基本的に話し言葉で…

『佐藤可士和の超整理術』

アートディレクターの佐藤可士和、ホンダのステップワゴンやユニクロ、歌手のSMAPなど、数多くの商品・企業のブランディングや広告に携わってきた。そんな彼の書いた整理術の本。シンプルな表紙に惹かれて手に取った。ビジネス書っぽくない雰囲気もイイ感じ…

『大阪船場おかみの才覚 〜ごりょんさんの日記を読む〜』

今のように住まいと職場とが別々であるのが普通になる以前の話。商家には店主家族の他に、住み込みで働く従業員たちが寝食をともにしていた。明治、大正の時代では当たり前、昭和に入っても残っていた習慣だ。そんな商家の夫人を東京では「おかみさん」と言…

『心に響く「話し方」』

ドキッとするタイトルだ。仕事で、プライベートで、毎日のように誰かと話をするのだが、自分の言葉のどれだけが相手の心に響いているのだろう・・・。著者の青木仁志はブリタニカでトップセールスマンとして活躍した後独立し、人材教育のコンサルタント会社を設…

『15分あれば喫茶店に入りなさい。』

著者の齋藤孝は明治大学の文学部教授。『声に出して読みたい日本語』や『三色ボールペン情報活用術』を書いた人だ。『15分…』のタイトルが示す通り、ちょっとしたスキマ時間の活用法でもあるけれど、そこから一歩進んで、仕事や勉強をするためにわざわざ喫茶…

『大阪学』

大阪生まれの作家であり帝塚山大学元学長、大谷晃一の『大阪学』を読んだ。大阪で暮らすのならぜひ読んでおいた方が良いと取引先の方が進めてくれた。大阪単身赴任の先輩だ。 『大阪学』とはその名の通り大阪についての学問で、帝塚山大学で88年から6年間、…

『三匹のおっさん』

有川浩の『三匹のおっさん』を読んだ。彼女の作品は昨年秋に『阪急電車』を読んで以来。タイトルに惹かれて思わず…のタイトル買いだ。三匹のおっさんとは、定年後系列のアミューズメントパークに嘱託勤務となった剣道の達人キヨ、居酒屋の元店主で柔道家のシ…

『こうして会社を強くする』

「働く日本人の8割はサラリーマン」と言われる。星の数ほどある会社の一つひとつが強くならなければ、未曾有の大惨事からの復興もあり得ない。そんな気持ちで手に取った一冊。社員8名で創業した京都セラミックを世界の京セラに育て、名経営者の誉れも高い稲…

『9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方』

ディズニーとは開園から四半世紀を経ても人気の衰えない、東京ディズニーランドのこと。著者の福島文二郎は東京ディズニーランドがオープンの年に入社した正社員の第一期生、今は社員研修プランニングなどを行う会社を経営している。 東京ディズニーランドで…

『誰も教えてくれない 男の礼儀作法』

日本人なら一度は耳にしたことのある「小笠原流」というコトバ。何だかよくわからないけれど、昔から伝わる作法みたいなモノ、どちらかというと敬遠したくなるけれど、本当はきっと大切なんだろうな・・・などと思う人は多いのではなかろうか。礼儀作法というと…

『僕とおじいちゃんと魔法の塔(1)』

去年読んだ『妖怪アパートの幽雅な日常(1)』の著者、香月日輪(こうづきひのわ)による児童文学。小学六年生の陣内龍神(たつみ)には秘密がある。両親にも兄弟にも絶対内緒の秘密とは、天神の磯にある古い塔に自転車で通っていること。その塔で龍神はなんと…

『ストーリーとしての競争戦略』

「おまえに何ができる?偉そうなことを言うな!」著者の楠木建は一ツ橋大の教授なのだが、ビジネスの実務家に戦略論を説く際、こんな言葉が頭をよぎり、時には面と向かって言われることもあるそうだ。「経営学と経営とは違う」「学者の話を聞いてよくなった…

『月は幽咽のデバイス』

森博嗣2000年の作品。閑静な住宅街にある大邸宅、10人の男女が集ったパーティーの最中に起こった惨劇。皆の歓談する居間のすぐ隣にあるオーディオルームで、参加者の一人が血まみれの姿で発見された。目撃者はおらず、現場は密室と思われる。事件の発覚した…

『夫婦善哉』

大阪に来たのだから読んでおかねば、と織田作之助の『夫婦善哉』を読んだ。1940年、真珠湾攻撃の前年の作品だ。 問屋の息子維康柳吉は妻子ある身ながら芸者上がりの蝶子と駆け落ちをする。ボンボン育ちの柳吉は定職にもつかず、蝶子の稼ぎで二人は何とか食い…

『ヤバい経済学』

アメリカに経済学ブームを巻き起こした本らしい。ハーヴァード大卒の若手経済学者スティーヴン・D・レヴィットとジャーナリストのスティーヴン・J・ダブナーの共著。二人ともスティーヴンでややこしいのだが、レヴィット教授の独創性あふれるアイデアを、ベ…

『酔って記憶をなくします』

タイトルに惹かれ思わず購入してしまった。mixi内に同名のコミュニティがあり、そこに寄せられた投稿から選りすぐりのエピソードが173収録されている。編者の石原たきびは岐阜県生まれのフリーライターだそうだ。 酔って記憶を無くし、同席した人から後日聞…

『テレビの大罪』

大阪に来てからテレビの無い暮らしを堪能している自分だが、こんな本を見つけて思わず買ってしまった。著者の和田秀樹は東大医学部卒の精神科医。精神科医というと、穏やかで優しいイメージだが、結構過激で熱い文章を書く人だ。 前書きは「偽装問題」の話か…

『阪急電車』

8月17日のブログに書いた、色々な本やCDを貸してくれる勤め先の後輩のI君が貸してくれた一冊。大阪に転勤する直前、大阪つながりということだろうアリガトウ。 阪急電鉄の今津(北)線という路線を舞台にした小説。宝塚駅から西宮北口駅まで、全部で8つある駅…

『妖怪アパートの幽雅な日常(1)』

両親をなくした稲葉夕士が高校入学と同時に住むことになった「寿荘」は妖怪アパートだった。そこでは妖怪や幽霊が人間同様普通に暮らしている。毎日絶品の手料理をつくってくれる賄いのるり子さんも、ものすごく大きな体の大家さんも、美人でプロポーション…

『日本人へ リーダー篇』

文藝春秋誌上に2003年から2006年にかけて掲載された塩野七生のエッセイ集。話題は日本という国の政治、外交、そして世界。イタリアの地で1日遅れで到着する日本の新聞から見えてくる日本と日本人へのメッセージだ。ブッシュ、フセイン、そして小泉首相の登場…

『ジョン王』

英国史上最も評判の悪い王様なのだそうだ。十字軍で活躍した兄のリチャード1世が「獅子心王」と呼ばれるのに対し、ジョン王は17年の在位期間に大陸での領地の多くを失ったため「失地王」と呼ばれている。戦争に負け、ローマ教皇からは破門され、イングランド…

『使命と魂のリミット』

帝都大学病院に脅迫状が届いた。「隠している医療ミスを公表し、謝罪しなければ病院を破壊する」。そのような事実は無いと断言する心臓血管外科の権威、西園陽平教授。しかし彼の下で働く研修医の氷室夕紀は、西園に対してある疑念を持っていた。夕紀の最愛…

『5万4千円でアジア大横断』

アジア・ハイウェイという道があることを知らなかった。元々は国連の事業で、アジア32ヶ国を巡る現代版シルクロードのようなもの。その1号線の東の端は東京。この本は著者の下川裕治が、カメラマンの阿部稔哉、調理師の橋野元樹とともに、東京の日本橋からト…

『ミュータント・メッセージ』

ハートにガツンとくる一冊。マルロ・モーガン女史によるこの本、受け止め方は千差万別だろう。いつもはネタバレにならない程度に本の内容を紹介するのだけれど、今回はパス。読まなきゃわからないタイプの本。 感想を書く前に、この本に対する自分の立場を明…

『投資ミサイル』

表紙の絵は豪華な椅子に腰掛け微笑むスーツ姿の女性。その後ろには赤色灯を光らせたロボット。サブタイトルに「今度こそ最期まで読める、あなたを成長させる投資ノウハウ」とある。恐らく小説仕立ての投資に関するビジネス書なのだろう。面白そうなので買っ…

『毒草を食べてみた』

タイトルに惹かれた。毒草すなわち毒をもった植物を食べるというのだから尋常ではない。作者の植松黎は1948年生まれのエッセイスト。86年にカリフォルニア大に招かれた頃から毒草に親しんできたというから、キャリアは長い、筋金入りだ。豊富な経験と知識と…

『平城京に暮らす』

平城遷都1300年の古都奈良。かつて日本の中心であったこの地の地中から、様々な文字が書かれた木の板「木簡」が出土する。今までに大小合わせ17万点の木簡が確認されているそうだが、本書ではこの木簡から奈良の都に生きた人々の暮らしを読み解く。 木簡には…

『日本辺境論』

日本や日本人について書かれた書物はとても多く、この本の中には新しい情報は一つも書かれていないと著者の内田樹は断りを入れている。丸山眞男、梅棹忠夫、山本七平らを下敷きにしながら「辺境」という地政学的な補助線を引くことで、理解を深めようとした…