2010-01-01から1年間の記事一覧

『ドゥ・ザ・ライト・シング』

スパイク・リー監督1989年の作品。多くの人種が入り交じり暮らすブルックリンの下町。主人公の黒人青年ムーキー(スパイク・リー)は仕事が長続きせず、妹からもプエリトリカンの彼女からも悪態をつかれる毎日。彼が今、配達員をしているピザショップの主人サ…

『花窗玻璃〜シャガールの黙示』

フランス北部の都市ランス。この街には13世紀に作られたという、大聖堂がある。歴代フランス王の戴冠式が行われた歴史的な大聖堂の祭壇の真後ろにあるのが20世紀の巨匠、M.シャガールによるステンドグラスだ。ガイドブックには必ず紹介され、観光客が後を絶…

『俺たちに明日はない』

「ちょいと、それママの車よ!」車を盗もうとするクライド(ウォーレン・ビーティー)に2階の窓からボニー(フェイ・ダナウェイ)が声をかけるところからこの映画は始まる。甘いマスクのクライドは強盗をして刑務所にいたと語る、しかしボニーはそれを嘘だと…

『17歳のための世界と日本の見方』

編集工学の松岡正剛が帝塚山学院大学人間文化学部で一年生向けに行った「人間と文化」という講義を本にしたもの。全部で5講、大学生になったばかりの若者に優しい口調で文化、物語、宗教、日本などについて語っている。 文化論、宗教論ならいろいろあるが、…

『マルタの鷹』

タイトルの「マルタの鷹」とは16世紀にマルタ島を譲り受けた騎士セント・ジョンがスペイン王に贈った宝石をちりばめた黄金の鷹の像のこと。この鷹の像を探す男達と女の物語。主役の私立探偵スペードを演じるのはMr.ハードボイルド、ハンフリー・ボガート、『…

『夏への扉』

どこかの書評を読んで購入したが、数ヶ月の間積んだままだった。連休というのは、積まれた本の山を小さくするのにちょうど良い。著者のロバート・A・ハインラインはアメリカSF界の巨匠で1907年生まれ、『夏への扉』は1957年の作品だ。 主人公のダニエルは技…

『80日間世界一周』

『月世界旅行』、『海底二万マイル』、『十五少年漂流記』、などを残したSFの父ことジュール・ヴェルヌによる1872年の小説を、1956年に映画化した作品。監督はマイケル・アンダーソン、主役のフォッグをデヴィッド・ニーヴン、召使のパスパルトゥーをカンテ…

無人島に住みたい

昔東京に住んでいたことがある。都会の良いところはあらゆる文化があること。音楽、演劇、映画に絵画。どれをとっても幅広く数が多い。マーケットの大きさを目の当たりにした。住んでいたのは新宿区だが、大通りから一本中に入るとひっそりと住宅が連なって…

『宇宙から恐怖がやってくる!』

普通なら決して知ることのできないことを、本は教えてくれる。中には教えてくれたついでに、読者の恐怖や危機感をあおる本もある。『実は・・・なのです!あなたどうしますか?』「え!本当?どうしよう」。『実は・・・なのです!あなたこのままで良いのですか?…

『リチャード二世』

シェイクスピアの戯曲『リチャード二世』を読んだ。物語の舞台は14世紀後半のイングランド、シェイクスピアの時代からさらに200年程昔の話だ。この物語の中でリチャード二世は浅はかで冷淡、重税を課すため民衆に評判の良くない王として描かれている。そのリ…

二回目のゴルフ

初めてのゴルフから約一ヶ月、初心者ゴルファー二回目の本番だ。散々だったデビュー戦の屈辱を晴らすべく毎週末練習場へ通い、レッスンを受けてきた。課題だったドライバーを打ち込み、それなりの手ごたえを感じて迎えた今日の日。天気は良好。暑からず寒か…

『My Song』

ジャズヴァイオリニスト寺井尚子の『My Song』を聴いた。ほぼ1年に1枚のペースでアルバムをリリースしている彼女にとって初のスタンダード集。「スイングがなければ」「枯葉」など、どこかで聴いたことのあるメロディーがそこかしこに。ジャズに詳しくなくて…

『告白』

一気に読ませる面白さだった。事件は中学校のプールで起こった。犠牲者はその学校の教師の娘、愛美ちゃん。警察の捜査の結果は転落事故だったが、母親である教師は担任をしているクラスのホームルームで、我が子はこのクラスの生徒によって殺されたと宣言し…

YUKA & CHRONOSHIP

一昨日の事なのだが、雨降る月曜の夕方、仕事を早めに切り上げYUKA & CHRONOSHIPのライブに行った。 YUKA & CHRONOSHIPはキーボド&ボーカルの船越由佳、ギター&コーラスの宮澤崇、ベース&コーラスの田口俊、ドラムスの田中一光の4人によるプログレバンド。実…

『オペラ座の怪人』

劇団四季の『オペラ座の怪人』を観た。四季の舞台は07年3月に『クレイジー・フォー・ユー』を観て以来だ。今日は猛烈に忙しいスケジュールだったのだが、朝から楽しみでワクワクしていた。新名古屋ミュージカル劇場のセットはオペラ劇場を模した豪華なもの。…

『交渉力』

『交渉人』という映画があった。サミュエル・L・ジャクソン 主演、1998年公開のアメリカ映画だ。日本でもフジテレビの『踊る大捜査線』シリーズで交渉人、ネゴシエーター役をユースケ・サンタマリアが熱演した。米倉涼子主演のドラマ『交渉人〜THE NEGOTIATO…

マイ・ミュージック

今、ハイドンのピアノソナタを聴きながらキーを打っている。聴きながらというのは正しくない、BGMとして流れる音楽は、部屋に差し込む陽の光や風のように全身を包み込む。聴くというより浴びる感じ。夏になったらブラジル音楽のショーロを浴びる。自宅ではな…

初めてのゴルフ

昨日、生まれて初めてゴルフ場のコースに出た。昨年夏から練習場に通い始めたのだが、そろそろデビューを、と勤め先の上司がセッティングしてくれたのだ。満開の桜が青空に映える。強めの風を読むのに自分以外の3人は難儀していたが、それ以前の問題の方が圧…

『レパントの海戦』

レパントの海戦とは400年以上昔にスペイン、ヴェネツィアを中心としたキリスト教国の連合軍と、イスラム教のトルコとが戦った歴史的な海戦。 1571年の10月7日、ペロポネソス半島北西の海上に集まったのは両軍合わせて500隻の船と17万の人間。手漕ぎのガレー…

腰痛

5日前、突然腰痛に襲われた。じっとしていると何ともないのだが、ちょっとした動作のたび背骨の下の方、尾てい骨の上のあたりに痛みが走る。「激痛で立つこともできない」なんて事はないのだけれど、やはりツラい。 実は腰痛は初体験、念のため病院に行って…

『あたりまえだけどなかなかつくれないチームのルール』

見開き2ページに一つずつ、全部で100のルールが紹介されている。ルールはバラエティーに富んでいて「リーダーは必ず一日一回メンバーと面談か電話で話そう」といった分かりやすいものもあれば、「矛盾を解決し矛盾をつくり出そう」という禅問答のような…

『スパルタカス』

時は紀元前76年、共和制ローマ時代。見世物としての殺し合いをする奴隷「剣闘士」のスパルタカス(カーク・ダグラス)は仲間とともに反乱を起こし、ローマの郊外カプア地区の剣闘士訓練所を逃げ出す。彼らはベスビオ山の中腹に拠点を構え、軍隊を組織。近郊…

睡眠時間

人はなぜ眠らなくちゃいけないのだろう。去年の5月の今週のお題、「眠りについて」でも書いたのだけれど、基本的に眠ることが好きじゃない。断っておくが、おねしょの癖が治っていないわけではない。必ず悪夢を見るため眠るのが怖いというわけでもないし、…

早春の飯田

長野県飯田市に行ってきた。中央高速を約2時間。高速バスの旅は思ったより快適だった。初めて訪れた飯田、気のよさそうなタクシーの運転手さんがイロイロ教えてくれた。長野県の南に位置するため、関東より中部とのつながりが深く、天気予報も愛知県や岐阜県…

『ロミオとジュリエット』

14歳のジュリエットと16歳のロミオの恋を描いた悲劇。有名過ぎるほど有名な物語なのだが、今まで読んだことがなかった。舞台を見たこともないのだけれど、なぜか身近に感じるのはドラマや映画の劇中劇として何度も目にしてきたから。そういう人って多いんじ…

仰げば尊し

卒業の思い出には「仰げば尊し」のメロディーがついてくる。この歌を聴くと卒業式を思い出すし、卒業式を思い出すとこの歌が聴こえてくる。「仰げば尊しわが師の恩、教えの庭にもはや幾年・・・・」明治時代に作られたというこの歌、元はスコットランド民謡だそ…

『日本を滅ぼす「自分バカ」』

「自分らしく生きる」「自分らしくがんばりたい」「自分のスタイルを貫けてよかった・・・・」TVのインタビューでは定番の答えだが、耳にするたびに違和感を感じていた。自分らしければそれで良いのかい?そもそも自分らしさって一体何? 男らしさ、女らしさ、日…

『白夜行』

10年ぶりに再会した友人と飲んだ。それぞれの仕事のことや近況を交換しあい、旧交を温めた楽しいひと時。酒が進むうちに読書の話になり、彼の一押しが東野圭吾の『白夜行』だった。東野作品は加賀恭一郎シリーズの『赤い指』や『新参者』、ガリレオシリーズ…

『ガス燈』

高名な声楽家の叔母が何者かに殺され、失意の中でポーラ(イングリッド・バーグマン)はイタリアへ留学する。それから10年、グレゴリー(シャルル・ボワティエ)と出会い、結婚したポーラは、ロンドンのソーントン街へ帰ってきた。二人の召使を雇い、幸福そ…

『営業の見える化』

「営業は見えない」とよく言われる。営業以外の職種の多くは、ボスの目の届くところで仕事をするのだが、営業はそうではない。会社を出たら何をしているか分からない、だから「営業は見えない」という。サボっている事も見えないし、あの人があんなに売れる…