『オペラ座の怪人』


 劇団四季の『オペラ座の怪人』を観た。四季の舞台は07年3月に『クレイジー・フォー・ユー』を観て以来だ。今日は猛烈に忙しいスケジュールだったのだが、朝から楽しみでワクワクしていた。新名古屋ミュージカル劇場のセットはオペラ劇場を模した豪華なもの。天井近くに金色の天使が舞い、大きなシャンデリアが目を引く。タイトルの通りオペラ座で繰り広げられるお芝居なので、芝居の舞台=オペラの舞台となるわけだ。
 ヒロインのクリスティーヌ役の沼尾みゆきは可愛らしい歌声が素敵だったが、東京芸大の声楽科出身の本格派。墓場のシーンのソロは聴きごたえタップリ。オペラ座屋上での恋人ラウル(北澤裕輔)とのデュエットも魅力的だった。全体を通して重々しい内容だが、仮面舞踏会のシーンの豪華さには目を見張った。明るく派手な場面と、暗く陰湿な場面とのコントラストが観るものの心を揺さぶる。
 生憎演劇については素人なので内容の良し悪しは判断つかないが、浮き世のアレコレを忘れ虚構の世界にトリップし、美しすぎる舞台にしばし酔いしれることができた。贅沢な喜びだ。