マイ・ミュージック

 今、ハイドンピアノソナタを聴きながらキーを打っている。聴きながらというのは正しくない、BGMとして流れる音楽は、部屋に差し込む陽の光や風のように全身を包み込む。聴くというより浴びる感じ。夏になったらブラジル音楽のショーロを浴びる。自宅ではなく海辺のリゾートにいるような気分になれる。持ち帰った仕事と格闘するBGMなのだけど・・・。iPodの出現で音楽の聴き方が変わった。先の例で言えば、今日は朝からずっとハイドン。入れ替えかけ替えの手間要らずでピアノソナタ全集CD10枚を順番に再生してくれる。だからこそ光や風のように音楽を浴び続けることができる。これはたまらない。ちなみに自分のはSONY製なのでWalkmanSONYは電池のもちが良い。5年以上使っているが満足している。
 このような怠惰な聴き方に慣れてしまっているのは事実だが、背筋を伸ばしてきちんと聴きたい大切な曲もある。テレマンのパリ四重奏曲、ラモーのクラブサンコンセール、BEGINの涙そうそうは心に染みる。テンションを上げてくれる曲、落ち着かせてくれる曲、C.P.E.バッハは天気の良い午前中に聴きたいが、A.ピアソラは絶対夜に限る。死ぬ前に聴きたい至高の一曲はA.コレッリの作品5の9。全4楽章合わせて10分程の曲だが、端整でありチャーミング。最初の一音二音でコレッリワールドに引き込まれ、そこに通奏低音が加わると、この世のものとは思えない幸福な世界が広がる。かれこれ20年以上この地位をキープしているお気に入り中のお気に入りだ。

コレッリ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集 作品5より

コレッリ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集 作品5より