読書

『どこでもオフィス仕事術』

著者の中谷健一が実践している「ノマド(=遊牧民)ワーキング」すなわちオフィスのデスクに縛られず、オフィスの外で働く技術を紹介した本。インターネットに接続できるノートパソコンを中心とした仕事術だ。 商社の営業マンという仕事柄、出張は多い。新幹…

『ヘンリー五世』 

後に「100年戦争」と呼ばれるイングランドとフランスの戦いの最中、海を渡ったイングランド軍と、その数4倍のフランス軍とが聖クリスピアンの祭日に戦ったアジャンクールの戦い(1415年10月25日)前後の模様が描かれる。 主役のイングランド王ヘンリー五世は、…

『宗教で読む戦国時代』

いつの世も人心に不安は尽きない。経済が混迷を極め、世界各地でテロが頻発する現代もそうだが、今からおよそ500年前の戦国時代、謀反、裏切り、飢饉に一揆、明日をも知れぬ生活の中で人々の不安はさぞかし大きかったことだろう。著者の神田千里は日本中世史…

『ヘンリー四世 第二部』

シェイクスピア第2四部作の3作目。物語は『ヘンリー四世 第一部』の最期、シュールーズベリーの戦いで国王軍が勝利した直後から始まる。残存する謀反勢力の掃討、王ヘンリー四世の最期、そしてヘンリー五世の即位までを描く。 第一部同様、第二部でもフォー…

『ヘンリー四世 第一部』

シェイクスピア第2四部作の2作目。『リチャード二世』でリチャード王に替わり王位についたヘンリー四世の治世、一部の重鎮(ウスター伯トマス・パーシー、ノーサンバランド伯ヘンリー・パーシー、その息子ホット・スパー等)が王に反旗を翻す。シュールーズ…

『衆愚の時代』

「そりゃ違うだろう」と思ってもそう言うことのできない現代日本。著者の楡周平は1957年生まれの作家。「世間の糾弾を浴びることを覚悟で」率直な意見を書き綴ったという一冊。 本書の前半では派遣切りやひきこもり、就職難などを切り口にマスコミ、特にテレ…

『花窗玻璃〜シャガールの黙示』

フランス北部の都市ランス。この街には13世紀に作られたという、大聖堂がある。歴代フランス王の戴冠式が行われた歴史的な大聖堂の祭壇の真後ろにあるのが20世紀の巨匠、M.シャガールによるステンドグラスだ。ガイドブックには必ず紹介され、観光客が後を絶…

『17歳のための世界と日本の見方』

編集工学の松岡正剛が帝塚山学院大学人間文化学部で一年生向けに行った「人間と文化」という講義を本にしたもの。全部で5講、大学生になったばかりの若者に優しい口調で文化、物語、宗教、日本などについて語っている。 文化論、宗教論ならいろいろあるが、…

『夏への扉』

どこかの書評を読んで購入したが、数ヶ月の間積んだままだった。連休というのは、積まれた本の山を小さくするのにちょうど良い。著者のロバート・A・ハインラインはアメリカSF界の巨匠で1907年生まれ、『夏への扉』は1957年の作品だ。 主人公のダニエルは技…

『宇宙から恐怖がやってくる!』

普通なら決して知ることのできないことを、本は教えてくれる。中には教えてくれたついでに、読者の恐怖や危機感をあおる本もある。『実は・・・なのです!あなたどうしますか?』「え!本当?どうしよう」。『実は・・・なのです!あなたこのままで良いのですか?…

『リチャード二世』

シェイクスピアの戯曲『リチャード二世』を読んだ。物語の舞台は14世紀後半のイングランド、シェイクスピアの時代からさらに200年程昔の話だ。この物語の中でリチャード二世は浅はかで冷淡、重税を課すため民衆に評判の良くない王として描かれている。そのリ…

『告白』

一気に読ませる面白さだった。事件は中学校のプールで起こった。犠牲者はその学校の教師の娘、愛美ちゃん。警察の捜査の結果は転落事故だったが、母親である教師は担任をしているクラスのホームルームで、我が子はこのクラスの生徒によって殺されたと宣言し…

『交渉力』

『交渉人』という映画があった。サミュエル・L・ジャクソン 主演、1998年公開のアメリカ映画だ。日本でもフジテレビの『踊る大捜査線』シリーズで交渉人、ネゴシエーター役をユースケ・サンタマリアが熱演した。米倉涼子主演のドラマ『交渉人〜THE NEGOTIATO…

『レパントの海戦』

レパントの海戦とは400年以上昔にスペイン、ヴェネツィアを中心としたキリスト教国の連合軍と、イスラム教のトルコとが戦った歴史的な海戦。 1571年の10月7日、ペロポネソス半島北西の海上に集まったのは両軍合わせて500隻の船と17万の人間。手漕ぎのガレー…

『あたりまえだけどなかなかつくれないチームのルール』

見開き2ページに一つずつ、全部で100のルールが紹介されている。ルールはバラエティーに富んでいて「リーダーは必ず一日一回メンバーと面談か電話で話そう」といった分かりやすいものもあれば、「矛盾を解決し矛盾をつくり出そう」という禅問答のような…

『ロミオとジュリエット』

14歳のジュリエットと16歳のロミオの恋を描いた悲劇。有名過ぎるほど有名な物語なのだが、今まで読んだことがなかった。舞台を見たこともないのだけれど、なぜか身近に感じるのはドラマや映画の劇中劇として何度も目にしてきたから。そういう人って多いんじ…

『日本を滅ぼす「自分バカ」』

「自分らしく生きる」「自分らしくがんばりたい」「自分のスタイルを貫けてよかった・・・・」TVのインタビューでは定番の答えだが、耳にするたびに違和感を感じていた。自分らしければそれで良いのかい?そもそも自分らしさって一体何? 男らしさ、女らしさ、日…

『白夜行』

10年ぶりに再会した友人と飲んだ。それぞれの仕事のことや近況を交換しあい、旧交を温めた楽しいひと時。酒が進むうちに読書の話になり、彼の一押しが東野圭吾の『白夜行』だった。東野作品は加賀恭一郎シリーズの『赤い指』や『新参者』、ガリレオシリーズ…

『営業の見える化』

「営業は見えない」とよく言われる。営業以外の職種の多くは、ボスの目の届くところで仕事をするのだが、営業はそうではない。会社を出たら何をしているか分からない、だから「営業は見えない」という。サボっている事も見えないし、あの人があんなに売れる…

『新参者』

東野圭吾の『新参者』を読んだ。小伝馬町のマンションで一人暮らしの女性が絞殺された。夫と離婚し、2ヶ月前にこの町に越してきたばかりの翻訳家、三井峯子45歳。日本橋署に異動してきたばかりの加賀恭一郎がその謎を解く長編ミステリー。 全部で9つある各章…

『情報は1冊のノートにまとめなさい』

情報管理術の本。普通の手帳やシステム手帳、PDAやパソコンなど、情報管理の方法は様々。それぞれに一長一短があるし、使う側の事情で「絶対ゆずれないコト」も様々なのだから、いろいろあって当然。ひとそれぞれってのは良い事だ。自分なりのスタイルはある…

『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』

世界は数字で動いている。少なくともビジネスの世界ではそうだ。売上金額、生産数量、ロス率、歩留り、納入日。単価、金額、売掛、買掛、手形期日に消費税。会議の日程、参加人数、出張手当に交際費(語呂がいいぞ)。すべてが身近な数字だ。「数字力」とい…

『世界を知る力』

我々現代人の行動半径は果てしなく広がってきた。主に農業に従事していた日本人の多くは、つい百数十年前まで、生まれた村とその周辺で人生の大部分が完結していた。徒歩で日帰りのできる半径20kmが世界の全てと言ってもよかった。それが今、航空機を使って…

『サービスの手帳』

著者の林田正光氏はリッツ・カールトンホテル大阪で営業統括支配人を務めたサービスのプロ。株式会社 HAYASHIDA−CS総研の社長でもあり、企業研修や講演にも忙しい。そんな人の書いた本だ、ぜひとも参考にさせていただこう。 1ページもしくは見開…

『海の色が語る地球環境』

エメラルドグリーンの珊瑚礁には生きた珊瑚はいない、温暖化を加速させる黒い海、紺碧のエーゲ海は海の砂漠・・・。目次を読んだだけでチョット待ってくれ、どういうことなんだ?と聞きたくなる。著者の功刀正行(くぬぎまさゆき)は国立環境研究所の客員研究員…

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』

ほとんど全ての日本人にとって「マネージャー」という言葉と最初に出会うのは学生時代の部活動なのではなかろうか。少なくとも自分の世代ではそうだった。陸上部のマネージャー、野球部のマネージャーといった具合。記録をとったり、練習のサポートをしたり…

『砲艦銀鼠号』

椎名誠のSF小説『砲艦銀鼠号』を読んだ。2006年の作品だ。近未来に起こった戦争の後、無政府状態の街と、油に覆われてテラテラ光る海。奇妙な動物や植物だらけの世界はファンタジー。灰汁、可児、鼻裂という元戦闘員の男が3人集まって海賊を始める。海賊と言…

『酒とつまみの科学』

酒とつまみについて情報タップリの本。作者の成瀬宇平は医学博士で、食に関する本をたくさん書いている。きっと酒好きな先生のだろうと推察する。登場するお酒は日本酒、焼酎、ビール、ウイスキー、ワインを中心に、ブランデー、ウォッカ、老酒やテキーラに…

『ビールを飲んで痛風を治す!』

痛風の発作というのはとてつもなく痛いらしい。幸いなことに今のところ痛風ではないし、尿酸値も正常だ。しかし身近に痛風持ちが何人かいて話はよく聞いてきた。痛風に関してはいわゆる耳年増なのだ。「風が吹いただけで痛いから痛風っていうんだぞ」焼酎の…

『ビジネスマンのためのメンタルタフネス』

『ビジネスマンのためのメンタルタフネス』ジム・レーヤー、ピーター・マクラフリン 誰でも物事が上手くいくと気分が良くなる。ホームランを打つと最高の気持ちになる。しかしそうではなく、良い気分のときにこそ物事が上手くいく、最高の気持ちの時にこそホ…