『AQUA NOME』

『AQUA NOME』 EPO
 80年代を疾走したPOPでキュート、オシャレなサウンド。泥臭くない、ヨーロピアンなテイスト、「才能」って言葉が似合うEPOの音楽が好きだった。メディアで取り上げられることは少なくなったけれど、創作活動を続けていることは知っていた。そんなEPOが8年ぶりのNewアルバムを出したので聴かずにはいられない。

 アルバムを通してサウンドはアコースティック。大地と自然、そしてそこに生きる人間がいろいろな角度から描かれている。一曲一曲が作りこまれていて際立つ存在感(!)、重みと自信に裏づけられた余裕を感じる。でもどこかオシャレなEPOテイストは感じられてウレシイ。

 ホームページに"8年の歳月をかけ遂に完成!"と書かれている。めまぐるしいミュージックシーン、日本で売れているCDの中で、8年前は子供だった人たちのCDがカナリのパーセンテージを占めているんじゃないだろうか。音楽も消費財となっている今日、ポリシーを曲げても、粗製乱造であっても、生活のために作り続けないといけないのがミュージシャンの宿命なのだろう。正直気の毒だと思う。そんな中で8年をかけられること自体がスゴイ。全10曲、秋の夜長にジックリしっとり。聴きごたえあるアルバムだ。

AQUA NOME