こだわり

 基本的に「好き」「嫌い」を大切にして生きている。他人に対しそれを表明することも厭わぬようにしている。そのため、あきれられたり変人扱いされたり「空気を読めない」と言われても仕方が無いと諦めている。好きなことや好きなものの中で生きていけるのは嬉しいことだから。結果、他人の目には「こだわり」としか映らぬあれやこれやを、いい機会だから列記してみることにした。

 (1)文房具へのこだわり。毎日使うものだから、手に馴染んで、使うのが楽しくなるようなモノがいい。LAMY2000の4色ボールペンはネットリした書き味に惚れ込んでしまい手ばなせない。最もよく使うシャープペンシルSTAEDTLERの0.7mm。コンビニでは入手困難な0.7mmは芯の買い置きが必須なのだけれど、この太さが自分の思考や書くスピードとマッチするような気がする。これとノック式の消しゴムの3点セットがかれこれ4年以上続いている。

 (2)革製品は黒。身につける革製品3点、靴とベルトと時計バンドの色を揃えると全体的にまとまった印象を与える、と以前どこかで読んだのがきっかけ。元来お洒落には気を使わないし、ファッションセンスなんてものは持ち合わせていない。日々のコーディネートに気をつかうのは非常に億劫なので、これら3点は黒!と決めてしまった。ついでに財布、名刺入れ、定期入れの3つも黒の革製のみ。

 (3)オーディオ機器にお金をかけない。音楽は好きで、部屋でもよく聴くのだけれど「音楽は本来一期一会、同じ演奏などあり得ない」が持論。技術的なことも含め、録音芸術というのもアリなのだろうけれど、やはり生音に勝るものはないと思う。だからオーディオ機器にはこだわらないのがこだわり。

 (4)本やCDは買う。大好きな本やCDは手元に置いておきたいという所有欲なのかも知れないけれど、レンタルは敬遠してしまう。音楽データのダウンロードもなじめない。しかしDVDとなるとほとんどレンタルばかりなので、我ながら矛盾だと思う。おそらく本や音楽に対する思い入れが映画に対するそれより大きいって事なのだろう。

 (5)同じ靴を続けて履かない。靴を休ませ長持ちさせるための基本でもある。それ以上に気分の問題としてリフレッシュできる。昨日履いた靴を続けて履くと、昨日の自分を引きずってしまうような気がして嫌だ。毎朝下駄箱から靴を取り出し、シューツリーを外して足をいれるのが日課だ。

 (6)コーヒーは家でもドリップ。親父がコーヒー好きで、子供の頃から我家にはコーヒーミルと小さなドリップ機があった。結構良い豆を使っていたのだろう、高校生の頃「喫茶店のコーヒーってマズイなぁ」と思ったのを記憶している。そんな事もあって、今でもインスタントコーヒーにはなじめない。お湯を沸かしながら小さな手動ミルでゴリゴリ豆を挽きドリップするのは、面倒だけれど楽しい。しかし、コーヒーの道は奥深い。豆の種類×焙煎×挽き方×抽出方法×お湯の温度・・・・変数が多く、豆の鮮度の問題もある。水道水でペーパードリップなのだけれど、これ以上は無理だと妥協している。

 (7)餃子を食べるときラー油は使わない。餃子に辛さを求めないから。あと、舌が麻痺して味がわからなくなってしまう。ただでさえ味覚音痴なのだからなおさらだ。

 他にもありそうなのだけれど、何だか恥ずかしくなったのでこれ位にしておく。ホテルはスイートルームしか泊まらないとか、車はジャガーに決めているとか書けたら格好良いのだけれど、それは当分無理だ。