大阪市歴史博物館


 大阪城公園に行ってきた。木々の若葉がすがすがしい中、公園はなかなかの賑わいを見せていた。散歩を楽しむ人、ベビーカーの家族連れ、ジョギングやウォーキングに精を出す人、ボクシングの練習をしている人もいいた。お堀を渡ると観光客が大勢。たこ焼きつまみに缶ビールのオジサン達もいたりして、少し羨ましかった(笑)。

 天守閣入り口付近の人だかりから何やら大きな音楽が聞こえてくる。「騒々しいなぁ」と思いつつ近寄ってみると、大道芸のパフォーマンスだった。ミスターバードという芸名の若者、思わず足を留めしばし観ることに。ダンスにパントマイム、マジック、ジャグリングと多彩な芸を披露してくれる。水晶玉を使った芸は両手の間で水晶玉が浮いているように見え、なかなかの見応えだ。最期を飾ったマリオネットのパントマイムは一同固唾を呑んで見入っていた。何でも大道芸のコンテストで日本一を受賞した演目なのだそうだ。およそ30分程のパフォーマンスを堪能したので、差し出された帽子にポケットの小銭をいくらか入れさせてもらった。

 偶然出合った大道芸で満足したので天守閣はまたの機会にして、本日の目的地、大阪城公園のすぐ隣にある大阪歴史博物館へ向かった。NHK大阪に隣接したこの博物館、今年で開館10周年なのだそうだ。ラグビーボールのような形をしたフロアの7階から10階が常設展となっている。エレベーターで10階に上がると古代フロア。645年に即位した孝徳天皇は、都を飛鳥からこの地大阪へ遷し、難波宮(なにわのみや)が国政の中心となった。当時の大極殿内部の様子を原寸大で再現してある。9階は中・近世フロア。江戸時代の商都大阪の様子を模型と映像で紹介してくれる。8回は考古学の紹介と特集展示のフロア。7階は近・現代の大阪。昭和のはじめ、周辺町村を合併した結果、東京市より人口が多くなった大阪市大大阪(だいおおさか)と呼ばれた当時の暮らしを実物大の模型で再現してあり、まるで当時の街角にいるような気持ちになった。

 館内はそれほど混雑していなかったので、2時間ほどかけゆっくりと見学できた。ケースの中に陳列された遺物を眺めるだけではなく、映像や実物大の模型など、見せる工夫が随所になされていて、楽しく学ぶことのできる博物館だった。印象的だったのは近・現代フロア。日本全体もそうだったのかも知れないが、当時の大阪のパワーが伝わってきた。意外だったのは戦国時代の展示がほとんど無かったこと。秀吉も大阪冬の陣・夏の陣にも触れられていない。まぁ、そのあたりはお隣の大阪城天守閣の中にタップリ展示してあるから、そちらに任せたのだろう。休日の午後、日常を離れしばしのタイムトラベルを楽しんだ。