服部緑地公園


 皆既月食の夜は明けて日曜日。遅めのランチはエリンギと鶏肉のパスタ。オリーブオイルでこんがり炒めたエリンギと鶏肉にゆでたてのスパゲッティ(1.8mm、太め)をからめ、タップリのバジルを振り掛ける。簡単にできるわりには結構いけるので、最近お気に入りのメニューだ。パスタとともにBeerなど少々。シアワセな週末ランチだ。

 掃除と洗濯を済ませてポッカリと空いた時間。湯を沸かしゴリゴリと豆を挽いてコーヒーをドリップする。コーヒーの香りに包まれながら窓の外に広がる冬空をぼんやりと眺めていたら、どこかへ出かけたくなった。身支度をして向かったのは大阪府豊中市服部緑地公園。北大阪急行電鉄、緑地公園駅で下車し、公園までの道のりをゆっくりと歩く。自宅から丁度30分で到着した。

 初めて訪れた服部緑地公園。冬の薄日の下、元気な子供たちや散策を楽しむ人達で結構な賑わいだ。甲子園球場33個分という広大な敷地には、プールや陸上競技場、野外音楽堂もある。数々の施設もさることながら、その名の通り木々の緑も豊かで、イチョウプラタナスの紅葉が目に鮮やかですがすがしい。

 昔、子供たちが小さかった頃は休日になるとよく公園に行った。お弁当を籐のバスケットに詰め込み午前中から出かけることもあれば、今日のように午後からぷらっと出かけることもあった。車で2、30分の距離に大きな公園が5つもあるので、それこそ週変わりであちらこちらの公園での一時を楽しんだ。サッカー、バドミントンにフリスビー、今の季節はどんぐりを拾ったり、年賀状の写真を撮影したりしたものだ。お金をかけなくても、家族が一緒に楽しい時を過ごすことができた。そんな昔を思い出しながら、木々の間の小路をぶらぶらと散策する。ほのかに香る土と木の匂いの中、落ち葉を踏みしめながら歩くと、ゆったりと落ち着いた気持ちになってくる。



 身近に木々があることはうれしい。今の自宅から最寄の駅までの道もイチョウ並木の黄色が美しいが、こういうまとまった木々は公園ならではのものだ。服部緑地の中央には大きな円形の花壇がある。この花壇脇の高台にあるベンチは見晴らしが良く、遠く西の空に夕陽が見えた。夕陽が沈むまでほんの2−3分、じっと見入る。昨夜の皆既月食もそうだが、地球と太陽、大きな宇宙を感じる一瞬。日々一生懸命に生きているうちに、知らず知らず頭でっかちになっている自分に気が付いた。

 ふと横を見ると60代くらいの女性が一人、沈む夕陽をじっと見つめていた。このご婦人も人生のあれこれを想っているのかなぁと勝手に感情移入していたら、2−3回屈伸運動をすると、勢い良く走り出して行ってしまった。やっぱ大阪のオバちゃんは元気だ。



[皆既月食の赤い月、オンボロのコンパクトデジカメでもなんとか撮影できた!]