眠りについて

 基本的に眠ることが好きじゃない。別に眠ることが不得意なわけではない。むしろ得意で、どこでも眠ることができる。元々人間がデリケートにはできていないのだろう。枕が変わろうが布団が変わろうが、カプセルホテルでも、テントの中でも、夜行バスも眠れる。これは便利なようだが「うっかり眠ってしまう」リスクといつも隣り合わせということ。さすが仕事中の居眠りは無い(と思う)が、電車の寝過ごしはよくある。終電で最寄の駅を寝過ごすなんてことは日常茶飯事。大阪で楽しくお酒をいただき、新幹線で名古屋までの帰り道「あのー、そこ僕の席なんですがぁ・・」と声をかけられ飛び起きるとそこはもう名古屋駅。慌てて出口までダッシュするが目の前でドアが閉まり「次は新横浜ぁー」あの時は情けなかった。

 基本的に眠ることが好きじゃない。世の中には「眠ることが大好き」という人もいるようだが、眠らなくても生きていけたらどんなに良いだろうかと思う。なぜこのように考えるようになったのかは心当たりがある。子供の頃、よく親から「早く寝なさい」と言われた。もっとTVを見ていたい、もう少しこの本の続きを読みたい、紙工作がもすぐ完成なのに…。そう思い、後ろ髪引かれながら渋々布団を敷いて横になるのだが、続きが気になって眠れない。あぁ、なんで寝なけりゃいけないのだろう?そう思ったのを覚えている。

 人生には限りがあるから「寝る暇も惜しい」と考える。これは実感だ。自分の大切な人生の1/3も眠っていられるか(何とか1/6程度に押さえたいと切に思う)。あれもしたい、これもしたい、もっとしたい、でも時間が足りない。良く言えば好奇心旺盛で積極的。悪く言えば欲張りでケチなだけだ。そんな事は分かっている。

 眠らなくても生きていけるようになる薬があるのなら、ぜひ購入したい。ただし、副作用が全く無くて、お手ごろ価格であることが必須だ。