BARin


 JR環状線の高架下、立ち並ぶお店の一番端にそのお店はあった。赤い扉を開けると静かにJAZZが流れる落ち着いた空間。分厚い一枚板のカウンターが一見の客をも優しく迎えてくれた。仕事帰り、大阪市大正区のBARinに行ってきた。

 まずは冷たいBeerで喉を潤し、続いてシングルモルトをロックでいただきながらカウンターの向こうにいる従業員の方と言葉を交わす。昔実家で飼っていたニワトリのことやお好み焼きのこと、話のテンポが妙に心地よいと思ったら、自分と同郷の名古屋人だった。丁寧でサッパリした印象のイイ男、「お得意のカクテルをお願いします」と頼んだら、ホワイト・レディーを作ってくれた。キリリと引き締まった味わい、美味しい。同郷のよしみで、地元ネタの会話を楽しむ。しばらくしてマスターの坂本さんが登場した。お会いしたのは初めてなのだが、そんな気が全くしない。背が高く“頼りになるアニキ”といった印象。人懐っこい笑顔と軽妙なトークはさすがで、いつの間にか引き込まれていた。居合わせた広島出身の美女お二人も交えて、会話の輪がぱっと広がった。お人柄なのだなぁとしみじみ思った。

 この日入荷のスペシャルな卵を使ってのミリオンダラーをいただいた。横浜で生まれたカクテルなのだと坂本さんが教えてくれた。優しい口当たりと豊かな後味がその名のとおりゴージャスで美味しい。偶然のいたずらで2種類の味を楽しむことができたのはとてもラッキーだった。

 途中に入った1本の電話で泣く泣く席を立つことになったが、また来たいと思うお店、また会いたいと思う人達と出会えた。今度はいつ来ることができるかな・・・その日が今から楽しみだ。素敵な夜に感謝!