名古屋市科学館


 土曜日の午後、休日出勤の帰りに名古屋市科学館に行ってきた。勤め先の事務所から徒歩10分程、冬晴れの空の下、時折吹きぬける風に肩をすくめながら一人歩く。2011年3月にリニューアルオープンした名古屋市科学館は、巨大な銀色の球体を抱き込むような外観が特徴的だ。大阪から戻って以来一度行ってみたいと思っていたのだが、やっと出かけることができた。

 ガラス張りのエントランスで800円払って館内へ。2F〜6Fが展示フロアになっていて、どの階も見学に訪れた子供達で賑やかだ。テコの原理や滑車の原理、音の伝わりかた、いろいろな鉱物の展示、宇宙や地球のしくみなど、見て触って、楽しみながら科学の基礎を学べるようになっている。館内のエスカレーターの機械部が見えるようにしてあるのも面白い試みだ。木やプラスチック、金属など色々な素材の10cm角の立方体が並べられていて、それを実際に持ち上げて比重の違いを体感する展示には感心した。

  建物中央にある巨大な球体の上半分はプラネタリウム。直径が35mあり、これは世界一の大きさらしい。全席指定のシートの座り心地は上々。リクライニングするのは当然だが、一脚ずつ独立していて、左右に回転するので、観やすい角度で星空を眺めることができる。この日の演目は『冬至の太陽』。地球が自転する地軸が、太陽の周りを回る公転面に対し23.4度傾いているから、夏と冬とで日照時間が異なってくるのだ・・・という事を、非常に分りやすく解説してくれた。冬の夜空を彩るオリオン座、おうし座、ふたご座、プレアデスに冬の大三角形・・・。温かな館内、満点の星空、座り心地の良いリクライニングシート・・・途中の記憶が曖昧だ(笑)。


 名古屋市科学館は1962年開館で今年50周年らしい。自分も小学生の頃、学校の遠足や子供会の行事などで何度となく訪れた。新幹線ひかり号(0系)の運転席や列車ジオラマ、匂いの出る装置、プラネタリウムも大好きだった。前述の通りリニューアルして生まれ変わった科学館、昔と比べると館内は随分綺麗になり、タッチパネルの液晶画面で動画を見せたり、人工的に竜巻を作る装置(写真)など、文字通り科学の進歩が感じられた。それでも未知の科学に触れるワクワク感は今も昔も変わらない。科学好きだった子供の頃に帰った土曜の午後だった。