『Trilogia』


 『Trilogia』 ショーロクラブ
 ショーロという音楽がある。「ブラジルの演歌」とも言われ、サンバやボサノバより歴史のあるポピュラーミュージックだ。そんな事も知らずに初めて耳にしたのは9年前、家族で出かけた「ラテンフェスティバル」というイベントで偶然出合った。当時のメモによると「オ・トリオ&テカ・カラザンス」というグループ、実は本場ブラジルの超メジャーなグループだった。カッコイイ、懐かしい、渋い・・・。こんな音楽があったのだと感激したのを覚えている。

 そんな出会いから暫くして、「ショーロクラブ」というグループがあることを知った。笹子重治、沢田穰治、秋岡欧という日本人3人のグループで、それぞれが、ギター、コントラバス、そしてバンドリンという4コース8弦の撥弦楽器を担当する。その名の通りブラジルのショーロをベースにしているのだが、オリジナル曲が多く日本人にも親しみやすい。それ以来ずっと追いかけてきた。

 そんなショーロクラブのニューアルバム「Trilogia」がリリースされた。前作「PREVENDO」から4年ぶり、待望!彼らのアルバムにはその都度いろいろなゲストミュージシャンが参加するのだが、今回のTrilogiaも例外ではなく、チェロ、アコーディオン、フルート、パーカッションが華を添える。個人的にはアコーディオンを加えたナンバーがとても新鮮。アコーディオンとバンドリンがユニゾンで奏でるメロディーは何とも言えない哀愁が漂う。もちろんショーロクラブらしさは顕在だ。3人の弦楽器奏者が奏でるさわやかで優しくどこか懐かしいメロディー、オシャレでスパイスの利いたコード展開。今年の夏のBGMはこの一枚に決まりだ。

トリロジア