梅田地下、串かつ松葉


 大阪梅田の地下街。阪神梅田駅、地下鉄御堂筋線梅田駅からJR大阪駅へ至る通路にある「松葉」。雑踏のど真ん中で営業しているこの店、通路と並行にカウンターがあって扉はない。通路とお店を隔てるのはのれんだけ。いわゆる立ち飲み形式で、のれんで顔は見えないけれど、昼間から一杯やっている人の背中と足が見える。魅惑的なお店だ。出張で大阪に来ていた頃から気になっていたのだが、休日出勤した帰りにブラリと立ち寄った。

 休日の夕方5時過ぎ、地下街はものすごい人出だ。雑踏を掻き分けたどり着くと、10人程しか並べないカウンターはほぼ満席(椅子は無いけど)。チョイと詰めてもらって立ち位置を確保する。カウンターの向こうの細長い空間で働く店員さんは4名。奥のフライヤーでお兄ちゃんが黙々と串を揚げている。生ビールを頼み、まずは牛の串揚げを一本手にとる。四角いアルミの容器になみなみと注がれたソースにドボンと浸す。言うまでもないが、二度漬けは厳禁だ。ガブリと頬張ると厚めでシッカリしたコロモにタップリ染みたソースの甘酸っぱい香りが口中に広がる。コロモが厚いと言っても中のお肉が小さいわけではない。厚さが十分あって食べ応え十分、歯応えワシワシ、肉の旨みがシッカリ味わえる。続けて海老の串をいただく。サクッとした歯応えでこちらも美味。ビールが進む。ソースの隣にはキャベツが山盛りになっていて、好きなだけ食べられる。野菜もとらなきゃ、ソースにチョンとつけてパリポリポリ。

 大阪には立ち飲みの店が多い。勤め先の事務所からの徒歩圏内に4軒もある。立ったまま飲むなんて、と当初抵抗があったが、慣れると何てことはない。最近では仲間内での飲みの3度に1度は立ち飲み屋だ。「チョット一杯」の言葉どおりの気楽さが良い。グダグダ、ダラダラ長引かないのも良いし、お互いの距離が近いので会話も弾む気がする。

 さてさて、梅田の松葉。生ビール1杯では足らず、ハイボールをオーダー。牛、海老に続いて揚げたてのイカ、若鶏、季節商品の牡蠣もいただいたがどれも美味。そうこうしている間にもお客さんは入れ替わり立ち代わり。来た時より混んできてダークダックス状態の一歩手前だ。そろそろ退散することにし、お勘定を頼むと1,430円也。旨くて早くて安い!立ち飲みはこうでなくっちゃ。のれんをポンと跳ね上げて雑踏の中へ。本当は牛串をもう一本食べたかったのだけれどお腹は一杯、ごちそうさまでした。

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