大阪-杭州弾丸ツアー


 二泊三日で中国杭州に行ってきた。二泊三日とは言っても、月曜の午後に事務所を出発し、水曜日の午後には帰社しているという、所要時間49時間の弾丸ツアー(出張)だった。

 部下に任せていた中国からの輸入の仕事で最近品質が不安定になってきた。品質改善と今後の取組を再確認するため、5年ぶり3回目の中国出張となったのだ。部下から出てきた日程は、関空から午後の便で上海に飛び、その日のうちに新幹線で杭州に入り一泊。翌日は朝から現地のメーカーと打ち合わせをした後上海に戻り、空港隣接のホテルに宿泊。翌朝の便で帰国するという内容。互いのスケジュールと諸事情から仕方がないのだが、余裕ゼロの強行軍だ。

 それにしても通訳を介しての交渉は疲れる。質問を一つするにしても、こちらの意図や聞きたいポイントがちゃんと伝わったのかが解らない。通訳が質問を翻訳し、相手がそれに答え、それをまた通訳が翻訳してくれるまでの時間がとてもまどろっこしい。相手が延々と話したりすると段々不安になってくる。こちらがAという質問をしたとする。通訳がそれを翻訳して相手に尋ねると、相手はaと回答し、それに付け加えてBという説明やCという逆質問をしてくる。すると通訳は回答aと説明Bと質問Cとを一度に投げかけてくるのだ。回答aが的を得ていればよいが、そうで無い場合はBやCを横に置き、もう一度Aを投げ返さなければならないのだけれど、BやCに重要な内容が含まれていたりするとついつい議論がBやCに流れてしまう。日本語での交渉ならば、回答aを聞いた瞬間「そりゃ違うでしょう」と突っ込めるのだけれど、それができないのがとても辛い。議論の軸がぶれないように始終緊張の糸を張り詰めていなければならないのだ。非常に疲れる。

 予想はしていたけれど、交渉は長引いた。午前10時から始まって、終わったのは帰りの新幹線ギリギリの午後7時。移動の後、フラフラになってホテルにチェックインしたのは午後10時だった。それから部下と二人で反省会を兼ねた夕食をとったのだが、人気の無いレストラン、ビールがしみじみ美味しかった。