『ハプニング』


 去年公開の映画『ハプニング』のDVDを見た。きっかけは日本でミツバチが減っているというニュースに触れた事。「これと同じような映画があったんですよ」と会社の部下が教えてくれた。「ミツバチが全米各地で姿を消している」という台詞がこの映画の冒頭部にある。何が敵か分からない状況下で、どんどん人が死んでいく。一種のパニック映画なのだけれど「自然を破壊する人類への警告」がテーマで家族愛がサブテーマなのだろう。

 作品としては人が死んでいく描写がリアルで、怖いというより気味が悪い。また、主題に異論は無いが、ストレートに語るのはチョットどうかな?と思う。また、全体的に作りがB級っぽいなぁ・・・とも。

 基本的に実り豊かな温帯に生息し、自然と共存共栄しようとする日本人の一人として「自然の驚異の前に無力な人間」を描いたこの作品は納得しやすい。一方で、より厳しい自然環境の中で「自然という敵を克服することが人類の生きる道」的な考えの西洋人がこういう映画を作ったことは結構驚きだ。その意味では、目前の脅威を分析し、その対処法を考えた主人公はいかにも西洋人的。この映画を見る西洋人はこの点にシンパシーを感じ、納得するのだろう。

 それにしてもズーイー・デシャネルの真っ青な瞳、印象的だなぁ・・・。
ハプニング (特別編) [DVD]