豚インフルエンザ

 メキシコの豚インフルエンザがニュースになっている。感染者はすでに1000人を越えた。死者は3週間で68人を越え、お隣アメリカにも広がっているようだ。

 インフルエンザは元々鳥の病気。変異を繰り返すなかで、他の動物にも感染するタイプが現れる。庭先を鶏が走り回るような環境では鳥→ヒトの感染が起こりやすい。これが広がり、ヒト→ヒトの感染が起こるようになると大変なことになる。いわゆる感染爆発「パンデミック」といわれる状態につながる。

 新型インフルエンザは数十年に一度の周期で大流行を繰り返してきた。大正時代に世界で4000万人、日本で39万人が死亡したスペイン風邪が有名だが、直近では1968年の香港風邪。世界で百万人、日本でも2千人以上の死者が出ている。当時と比べて、世界をつなぐ交通網の発達はめざましい。このことは感染症があっという間に世界中に広がることを意味する。

 メキシコではすでに品切れになっているようだが、インフルエンザの予防といえばマスクだ。保菌者がクシャミや咳をすると、ウィルスを含んだ唾液や鼻水が細かな飛まつとなって飛び散る。これを鼻や口などから吸い込むと感染してしまうのだ。今のところ日本では大きな混乱にはなっていないが、日本での発病が確認されればすぐにマスクは品切れになるのだろう。花粉症なので、マスクの買い置きがいくらかあるのは幸いかもしれない。

 ところで今回の豚インフルエンザより毒性の高いH5N1型鳥インフルエンザというのがある。いわゆる『鳥インフルエンザ』ってやつだ。WHOの統計によると、2003年から2008年までの死者が一番多い国がインドネシアで115人。約5年で115人。あれ、メキシコの豚インフルエンザの死者、3週間で65人はものすごく多いぞ。