広島お好み焼き


 半年ぶりに広島へ行ってきた。部下と二人で遅ればせながらの年始挨拶だ。昨年一年の礼を言い、今年も宜しくと挨拶を交わす。日々の細かな対応は部下に任せてあるのだが、会社同士のベクトルがあっているかを確認するのにも年始の挨拶は良い機会だ。それが見えていないと部下に対し見当違いの要求をしてしまうからだ。

 広島出張のお約束と言えばお好み焼き。昼ならランチに、夕刻なら生ビールとともに。この日は午後のアポイントだったので後者のパターン(嬉)。行くお店はいつも決まっていて、広島駅ビルにある人気店「麗ちゃん」。戦後の屋台から始まった50年以上の歴史のあるお店。店内は巨大な鉄板を囲むカウンター席と大きなテーブルが二つ。カウンターは満席でテーブルに案内された。まずは生ビールで乾杯して労をねぎらう。そしてお好み焼き。この日は豚肉、卵とソバに加えてイカとエビの入った人気No.1の「スペシャル」にチャレンジしてみた。お皿に盛られて登場したその姿は迫力満点!テカテカ光るカープソースの上に振り掛けられた青海苔の緑が美しい。テーブルに用意されたソースをタラタラとかけてからいただく。一口ガブリと頬張ると、小麦粉の味とキャベツの旨み、そしてカープソースの深〜い味わいが口中に広がる。シアワセ!!幸福の絶頂にある口内を無情にもビールで洗い流し、また一口・・・再びシアワセ!!この繰り返しがたまらなかったりする。

 言うまでもなく、広島のお好み焼きは薄く延ばした小麦粉の皮の上にキャベツや具材を積み重ねて焼き、ソバと卵を合わせる多重構造。大阪のお好み焼きが具と小麦粉とを混ぜ合わせてふっくら仕上げてあるのとは全く違う。全てが一体となった調和を楽しむのが大阪流ならば、具材と皮とキャベツと麺がそれぞれに主張しあってバトルするような荒々しさが広島お好み焼きにはある。一口一口の味わいが異なり、食べるたびに新たなヨロコビがあって楽しい。特にこの日の「スペシャル」は一口ごとに主役がエビだったりイカだったり肉だったりして、オールスター勢ぞろい。ボリュームもあるので、これだけでお腹も一杯。堪能しました。