照和


 博多天神のライブハウス「照和」に行ってきた。九州出身のミュージシャンは多いが、まだ「めんたいロック」なる言葉も無かった1970開店の老舗ライブハウス。この店からチューリップ、海援隊甲斐バンド井上陽水長渕剛など、数多くの大物がメジャーデビューを果たしている、伝説のライブハウスだ。

 大宰府天満宮を詣でた帰り道、西鉄天神駅で下車して地図を片手にしばらく歩く。駅からほど近い角地のビル、細い階段を下りた地下一階に照和はあった。扉を開けて中に入ると店内は思っていたよりずっと狭い。テーブル7つに椅子がいくつか。長方形の店の一辺にドラムセットやアンプが置いてなければライブハウスというよりも、昔ながらの喫茶店といった雰囲気だ。先客はまばらで若い女性が多い。若い子ばかりかと思いきや、同年代のおっさんの姿を確認し少し安堵する。ライブのチャージ、ワンドリンク付きで1500円を支払い、午後7時の開演を待つ。

 「真夏の天神 熱帯夜スペシャルライブ」と銘打ったこの日の出演は三組。最初に登場したのはフォークギター弾き語りの鶴田淳くん。大分出身の30歳の彼はここ照和のレギュラーらしい。よく通る高音と温かな語りが印象的だった。二番手は同じくギター弾き語りで福岡生まれ福岡育ちのmikiちゃん。キレイな声、特にファルセットが二重丸。音程が甘いのが少々残念だったが、体調がすぐれなかったのかな?トリを飾ったのはピアノ弾き語りのハマノヒロチカ氏。ベースの稲葉一良くんがサポートする二人の舞台。先のお二人には申し訳ないが、迫力が違い貫禄を感じる。ステージの配置上、横を向いての演奏だったのが少し残念。

 名前を知ったのは30年以上前。いつか行ってみたいと思い続けていた照和にやっと来る事ができた。今の照和を支えているリアルタイムの照和ファンや照和ミュージシャンからすれば、おっさんのノスタルジーにしか思えないだろうけれど、若き日の小さな夢が一つかなった夜・・・・涙!