仕事始め

 1月5日は仕事始めだった。年末に皆で大掃除をした事務所はどこか新品の香りがするようで気持ちがよい。この気持ちよさを味わえただけでも大掃除をした甲斐があったというものだ。メンバーが揃ったら年賀式を行う。社員と家族の物故者に黙祷をささげるのが毎年のならわしだ。休みの間に考えた短いスピーチをして、その後皆で乾杯をする。年末に道具屋筋商店街で購入した新品のお猪口が気持ちよい。朝からいただく熱燗はウレシイものだ。「休みの間、どうしてた?」「雪降った?」他愛も無い会話が弾み杯が進む。

 そうこうしていると来客が来る。「旧年中は大変お世話になりまして・・・」「今年もどうぞ宜しく」挨拶を交わし、さあどうぞと杯を勧める。中には10人近い団体で来てくれる会社もあるので、迎える方もあわただしい。年のはじめにビジネスパートナー同士がともに頑張ろうと挨拶を交わし気持ちを新たにする、良い風習だと思う。

 しばらくして事務所を後にし、新幹線に飛び乗った。自分の勤め先の本社のある名古屋で新年早々の会議があるのだ。例年の事ながら、会議のメンバー全員がほろ酔い加減という、何とも大らかなようで、その実恐ろしい会議だ(笑)。今年は定例の会議の後、別の会議もあったので、終わったのは午後9時過ぎ。食事もせずに新幹線で大阪へ帰るという、何ともハードな一日となった。

 6日からは年始の挨拶回りが始まる。去年までの感謝と新年の期待をこめて訪問する。いつもの取引先なのだけれど、少しだけ改まった気持ちで挨拶をかわす。部下に任せている取引先にも挨拶をしたいので、1月の前半はあっという間に過ぎ去る。新年のまっさらな気持ちが日常の中に埋もれていく。これも例年のことだ。