『THE GAME』 (QUEEN)


 1980年に発表されたQUEEN8枚目のオリジナルアルバム『THE GAME』。銀色のジャケットには革ジャン姿の4人が並ぶ。フレディーが髪を短くし、ヒゲをはやしたのはこの頃からで、「初めてシンセサイザーを使ったアルバム」と銘打ち、それまでのQUEENサウンドからの脱皮を推し進めた一枚だ。英・米両国でヒットチャートの1位となり、世界的な大ヒットアルバムとなった。

 いわゆる洋楽はあまり聴かないのだが、QUEENだけは別だ。中学時代、親しくしていた先輩から勧められ聴くようになってから、かれこれ30年の付き合いになる。先だってのクイーン+ポール・ロジャースは聴きに行ったが、生前のフレディーのステージを体験できなかったことは一生の不覚と思っている。

 さて、『THE GAME』にはシンセサイザーを駆使した「プレイ・ザ・ゲーム」、ブラックミュージック風の「地獄へ道づれ」、プレスリーを彷彿させる「愛という名の欲望」など、新しい試みの曲がいくつかあるが、一番のお気に入りはアルバムの最後を飾る「SAVE ME」。ブライアン・メイによるこの曲は、それまでのクイーンサウンドを踏襲する。日本でもシングルが発売され、当時使っていたモノラルのラジオから聞こえてきたのを覚えている。 It started off so well They said we made a perfect pair・・・ 少しかすれたようなフレディーの声とピアノで静かに大人しく始まる。続くBメロではベースとアコースティックギターが加わり、淡々と、切々と続く。ギターとドラムスが炸裂して、サビに突入。Save me Save me Save me! フレディー節全開、分厚いコーラスとギター・オーケストレーション。鳥肌が立ち体温と血圧が上がる・・・。今回久しぶりにCDを聴いてみて、そのメロディーの美しさにあらためて感動した。