「日記・手帳」


 1998年の夏、雑誌の記事に目が釘付けになった。ワイシャツのポケットに入るサイズながら、予定表、住所録、To Doリスト、メモ帳といった機能を持ち、新たなソフトをインストールすることもできる。感圧式のタッチパネルをもち、Wiodowsパソコンと同期させることもできる。一目見て虜になり、数日後には名古屋大須のパソコン専門店で購入していた。アメリカの3comというメーカーのPDA(電子手帳)でその名もPalm3。以来15年以上、紙の手帳は一切使わず、何台ものマシンを乗り換えながら、ずっとこのPalmシリーズを使い続けている。写真は左から98年のPalm3、現在使っているSONY製のClie TJ25、そしてスマートフォン(SO-05D)。比べて見ると、画期的に小さいと思ったPalm3もずいぶんデカイ(笑)。

 予定表として使い続けてきた結果、15年分の記録がいつもポケットに入っている状態となった。取引先を久しぶりに訪問する際など、チョイと検索すれば「前回お会いしたのは2001年の7月でしたね」などと自信を持って言える。住所録にはお会いした方々についてのあれこれが書き込んであるので「息子さん、今年から中学校じゃないですか?」などと話のタネにもなる。以前『Palmのこと』という記事にも書いたが、非常に心強い外部記憶装置なのだ。

 Palmの予定表には、それぞれの予定にメモを書き込むことができるので、その時あった事や感じた事を書き込むようにしている。後から見返せば日記のようなものだ。仕事上の面談の記録や、買い物の記録、嬉しかった事や頭にきたこと、映画やコンサートやレストランの感想なども沢山書き込んである。しかし何ものにも代えがたいのは家族の記録。子供たちが小さかった頃、家族旅行や学校のイベント、あるいは何気ない日常の中で綴ったメモは、今読み返すとしみじみと懐かしい(涙)。

 実はこの正月に、メインのコンピュータを新調した。データの同期ができるか心配で、最悪これを機にタブレット端末+グーグルカレンダーに乗り換えようかとも思っていたのだが、幸い何の問題もなくクリア。これでまた当分お世話になることができる。