お圭ちゃん「焼きラーメン」


 出張で九州に来ている。夜10時前に福岡天神のホテルにチェックイン。夕食は済ませていたけれど、まだ寝るには早いので、ホテルを出て一人でぶらぶらと…。名物の屋台で軽く一杯!という魂胆だ。

 広い通りのあちこちに屋台の明かりが見える。そばを通ると屋台から漏れてくる光と香りが魅惑的に誘ってくる。冬の寒さの中だけれど、どの屋台にもお客さんの影が一杯だ。「ラーメン」「おでん」「焼き鳥」・・・どの屋台にしようか、迷ってしまう。しばらく歩いていると、一軒の屋台から店の人が出て来た。「入れます?」「どうぞ!」案内され入ったのは「お圭ちゃん」という屋台、先客は2人。まずは瓶ビールを頼み喉を潤す、結構寒いのだけれどこればかりは仕方が無い(笑)。

 アテにはおでんを3点オーダー。大根、たまご、そして店主のお勧めで餃子巻。初めて知った餃子巻なるモノは、ごぼ天の餃子版とでも言おうか、餃子がそのまま包まれている。初めて食べる餃子巻おでん、味は見た目のイメージ通り。美味しくて何だか楽しい。焼酎のお湯割りを追加して、ふとメニューを見ると「味噌おでん」と書いてある。今いただいたのがそうなのか?味噌かかってなかったゾと思いつつ目の前のおでん鍋を見ると、白く濁った汁に浸かっている。おぉ、そうか。名古屋っ子にとって「味噌おでん」と言えば八丁味噌のタレがトロリとかかったおでんなので「???」とおもったが、ご主人に文句を言わなくてヨカッタ。

 焼酎をちびちびいただきながらメニューとにらめっこ。締めに選んだのは「焼きラーメン」。その存在は聞いていたのだが、食べるのはこれが初めて。ご主人は鉄板の上に豚バラ肉、イカ、もやし、それからラーメン用とは別に用意しているという特性の麺を乗せていく。秘伝のタレとゴマ油をたらすとこんがり良い香りが屋台の中に充満する。ニラを加えてさらに炒め、ゴマを散らして出来上がり。お皿に盛られた焼きラーメンに食欲がムラムラとわき上がる。

 細めの麺は歯ごたえがあってイイ感じ。濃いめの味付けはお酒のアテにもなりそうだ。ご主人に聞いてみると、ダシは鶏ガラスープを使っているそうな。ナルホド濃い味付けにも拘わらずくどくなく、ペロッといただく事ができた。

 鉄板で焼いて作るので「焼きそば」と呼んでもおかしくないのだが、この味は「焼きラーメン」の方がシックリ来るような気がする。味付けの秘訣、秘伝のタレについて尋ねると、ご主人はニヤっと笑うだけで教えてくれない。企業秘密なのだろう、また福岡に来たときにはぜひ立ち寄りたいと思った。


外観はこんな感じ