なんばグランド花月


 雨の土曜日、ふと思い立ちNGKことなんばグランド花月に行ってきた。当日朝にインターネットで購入したチケットの座席は1階A列1番。舞台下手(しもて)の最前列だ。午後6時過ぎに到着しチケットを受け取るが、まだ中には入れない。雨が強くなってきたのでNGK南側にあるたこ焼き屋さんで軽く腹ごしらえ。たこ焼き8個と缶ビール、なかなか美味しい。開演15分前の6時半には開場となり館内へ。初めて入ったNGK、1階席はほぼ満員、2階席は半分くらいの入りだろうか。お弁当を食べている人多数。開演を待ちながらのお弁当ってのも良いものだなぁ、今度来ることがあればこれにしよう。

 この日の出演は月亭八方オール阪神・巨人西川きよしザ・ぼんちメッセンジャースーパーマラドーナ小泉エリ。若手から始まり、中堅、ベテランと続き、八方師匠の落語で休憩となる。若手漫才のスーパーマラドーナは細身の田中君のいじめられっ子キャラが際立って面白かったし、ザ・ぼんちの「おさむちゃんで〜す!!」は懐かしかった。昔から好きだった阪神・巨人を間近で見られたのは嬉しかったし、途中で小泉エリ(可愛い)のマジックが良いアクセントになっていた。西川きよしのステージでは支配人から手渡されたというメモを見て、各地からの団体客を読み上げる場面があった。「○○県○○組合御一行の皆さん、どちらですかー?」と問いかけると客席から「はーい!」と声があがる。このNGKは関西旅行の観光ルートに組み込まれることが多いらしく、そのあたりへのサービスにぬかりが無いのはさすが吉本。確かに夕食の弁当を食べながらの吉本観劇というのは旅行のイベントとしても人気が高そうだ。

 舞台下手最前列という席だったためずっと右を向いていて首が痛くなったけれど、この席ならではの発見もあった。演目を終えて舞台袖に下がる出演者の表情がよく見えるのだ。若手は笑顔でお辞儀をした後、ふっと表情が固くなる。今日の反省や相方への注文、師匠への言い訳などなど、イロイロ考え始めているのだろう。その点ベテランは袖に消えるまで明るい表情を変えない。西川きよしなど振り返って両手を振ってのサービスまでしてのける。客席から見えなくなるまでが自分のステージ、そういう事なのだろう。

 休憩をはさみ、後半は新喜劇。この日のタイトルは『幸福の黄色いジャンパー』。出演は川畑泰史、池乃めだか青野敏行Mr.オクレ他。池乃めだかは本等に小さいし、Mr.オクレはそのまんまだった(笑)。『幸福の黄色いハンカチ』になぞらえたストーリーは随所にギャグをちりばめながら進み、危機一髪の後一件落着して、最後はホロリとさせる。でも最後の最後はドッと笑わせて幕。お決まりのパターン、良いものだ。

 拍手の中で幕が下りるとすぐに明るくなり、およそ2時間半のプログラムは終了。客席でのお弁当がOKでカーテンコールが無いというのは先日のタカラヅカと同じだ。席を立ち、外に出ると雨は上がっていた。なんばグランド花月は「笑いの殿堂」と呼ばれる。つらい事も悲しい事もネタにして笑い飛ばす大阪の風土に育まれてきたのだろう。「ここンとこヤな事続きやったけど、吉本行ったらスッキリしたわー。明日もガンバろ(大阪弁で)」そんな声が聞こえてきそうな帰り道。心が少し軽くなった。


大阪で1番おいしいたこやきくん なんば店

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