こどもの日


 子供の頃、5月が近づくと庭にこいのぼりが泳いだ。父親が何mかある長い竹を物干し台に固定して、滑車につながる紐をくるくると手繰ると、こいのぼりが少しずつ上がっていく。それを見るのが楽しかった。夕方、母親が洗濯物を取り込んだあと、こいのぼりを取り込むの見て「洗濯物みたいだ」と思ったりした。

 今年は五月人形を飾らなかった。3月の雛人形も出さずじまいだった。子供達が大きくなり、もう喜ばなくなってからも年中行事として毎年3月と5月が近づくと人形を飾ってきた。面倒ではあったけれど、一人で飾り、一人で片付けてきた。昨年秋からの単身赴任で不在なため出せなかったのだが、我家も違うステージに入ったということと納得しよう。少し寂しいような、ホッとしたような、そんな気分だ。

 5月5日、文字通り五月晴れの大阪、一人暮らしのマンションの窓から見える小学校の校庭でも、こいのぼりが元気に泳いでいた。写真は近所のスーパーで買い求めた柏餅とちまき。遠い昔とすこし昔とを懐かしく思い出しながら一人でいただいた(体重がとても気になる・・・)。