『You can't catch me』
前作『かぜよみ』から2年、坂本真綾7枚目のオリジナルアルバム『You can’t catch me』を聴いた。収録された全12曲は全て作曲者が違う。長年のパートナー菅野よう子や鈴木祥子に加え、スキマスイッチの常田真太郎や真心ブラザーズの桜井英俊、スネオヘアーこと渡辺健二などなど、にぎやかだ。シンガーとして新しい可能性を模索する意欲の現れなのだろう。ナニナニ、これ誰の作曲?と一曲一曲楽しめる。それにしてもCDについてるブックレットの文字ってどうしてあんなに小さいのだろう(怒)。
一番気に入ったのは『DOWN TOWN』。作詞伊藤銀二、作曲山下達郎、かつてEPOがカバーしてテレビ番組のテーマソングになった有名曲。今回のカバーも『それでも町は廻っている』というテレビアニメのオープニングテーマになっているそうだ。服部隆之による編曲はミディアムテンポのスカビートで、これがとびっきり秀逸。さすがサラブレッド、才能を感じる。ノリの良いブラスと男声+本人によるコーラス、ゴージャスすぎず軽すぎず。原曲の良さを大切にしながらも、プラスアルファのエッセンスが利いている。坂本真綾のボーカルが飛びっきりキュートなのは言うまでもない。「暗い気持ちさえ、すぐに晴れて、みんな うきうき♪」思わず体が動いてしまう。
当世きっての作家陣の力作が並ぶなか、やはり達郎はいいね、なんて思ってしまうのは、今時のノリについていけていない証明かもしれない(笑)。オリジナルは1975年発売なので何と36年前、干支3回り。確実に懐メロだ。歌は世につれ・・・だが時代を超える名曲というものもあるのだと開き直る。新たなアレンジで甦った名曲、往年のシュガー・ベイブファンや達郎フリークの皆さんはどう感じるのか、ご意見を聞いてみたいところだ。
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