『TIME×YEN時間術』


『TIMExYEN時間術』長野慶太
 自分の時間を管理して有効に使うノウハウを教えてくれる時間術の本は少なくないが「死からの逆算の時間術」などと言われると「えっ何?」と思ってしまう。そういう本なのだ、この本は。

 時間を有効に使いたい、無駄な時間を減らしたい、という気持ちが時間術の存在価値につながるのだが、無限の時間を持っているのなら時間術は存在価値を失う。しかし実際はそうでない。誰にとっても時間は有限だから大切にしたくなる。じゃぁ有限ってどれくらい?この問いを出発点にしている所にこの本の独自性がある。本書では30歳の読者があと50年生きると仮定する。睡眠や食事など削ることのできぬ時間を1日10時間として計算すると約260,000時間が読者に与えられた持ち時間となる。この26万時間は決して増えない。利殖で倍にすることは(多分)不可能なのだ。

 普通の人はお金を大切に思う。タイトルのTIMExYENというのは時間をお金に例えることでその大切さを読者にリアルにとらえさせようという作戦なのだ。これを「T\」と表し30歳の人はT\260,000-を所有している。

 なるほど、死を意識することで時間術云々の前に時間観が変わる。何でもないHack的なモノがいくつか例示してある。自分に当てはまるものもあれば、そうでないものも多い。30歳をとうに過ぎた自分の場合およそT\180,000-しかないという計算になった。時間観が変わると人生が変わる!?

TIME×YEN 時間術 (タイムエン時間術) すべての時間を成果に変える31の鉄則
作者: 長野慶太
出版社/メーカー: 草思社
発売日: 2009/04/22
メディア: 単行本(ソフトカバー)