セレッソ大阪


 年の瀬も押し迫った12月29日、大阪市東住吉区長居スタジアムに向かった。サッカー第91回天皇杯の準決勝戦FC東京セレッソ大阪の試合を観にいったのだ。自由席当日券2000円を購入して列に並ぶ。回りはピンクと紺のセレッソカラーの人達多数。当方ベージュのハーフコートにマフラーは緑、全く普通の格好で申し訳ない。11時に開場となり、初めての長居スタジアムに入る。ゴールの真後ろはセレッソ命!の皆さんが集まっているので、にわかセレッソファンは少し離れた位置に陣取る。ここからはコーナーキックがよく見える。




 キックオフまで2時間もあるので、スタンド裏を散策。売店をひやかし。たこ焼き、焼きそば、おでんやクラムチャウダースープもあった。メインスタンド裏に人だかり。行ってみると天皇杯カップが展示してあった。銀色に輝くカップ、これを目指して熱い戦いが繰り広げられてきたのだ。戦いは熱いが真冬のスタジアムは寒い。きつねうどん500円でしばし温まる。ビールとアメリカンドッグを手に席に戻ると応援団長のような人がハンドマイクで挨拶をしていた。遠くて見えないが、みんなで元旦は国立に行きましょうとのこと、にわかセレッソファンの一員として拍手で応える。


 サッカーの試合を生で観るのはこれが二回目。初回は自分がサッカー少年だった頃なので40年近く昔のことだ。名古屋の瑞穂競技場にイギリスのマンチェスターシティというチームがやってきた試合、日本側はどこかのクラブチームだったと思うのだけれど記憶が無い。覚えているのは土のピッチと曇り空、そしてスタンドに流れていたマンチェスターシティの応援歌のメロディー。はるばるようこそと歓迎ムードだったのだろう、懐かしい。


 さて、この日の試合、前半からセレッソは押されぎみの展開。ボール支配率も低い。後半途中でFC東京が先制。1点の重みがズッシリとのしかかる。残り15分を切る頃からだろうか、セレッソの猛攻が続いたが、FC東京の堅い守りをこじ開けることができない。終了間際、ゴール前での混戦からセレッソが目の前のゴールネットを揺らすと客席は大いに沸いた。自分も立ち上ってガッツポーズで雄叫びを上げていたのだが、いつまでたっても「ゴール!」の場内放送が流れない。そしてゴールキーパーがボールを蹴って試合が再開された。帰ってから調べてみたらセレッソ播戸選手の手に当たっていたのだそうだ。テレビと違って解説もリプレイも無いので回りは皆「???」そして「え〜!」。残念。程なく試合終了のホイッスル。サクラ散る。肩を落としながらスタンドに挨拶するセレッソの選手達によく頑張ったと拍手を送りスタジアムを後にした。本当に久しぶりのサッカー観戦、セレッソに勝って欲しかったのだけれど勝負は時の運、来年の健闘を期待しよう。

 それにしても寒かった。ある程度の防寒をして、背中に2枚と靴の中にもカイロを入れて臨んだのだけれど、5時間近く屋外にいたら体の芯まで冷え切った。地下鉄長居駅前の天下一品に吸い込まれるように入ると、迷わずこってりスープのラーメンをオーダーしていた。