因幡の白うさぎ

 鳥取県米子市の寿製菓が昭和42年から販売している「因幡の白うさぎ」。先週末の鳥取、島根旅行、大国様を祭る出雲大社を参拝した思い出に買ってきた。サメに毛皮を剥がれた白うさぎを大黒様が助けたという神話をモチーフにし、ウサギをかたどった可愛らしいお菓子だ。中国出張の際に買ってきた烏龍茶とともにいただいた。

 こんがり焼き上げられた生地には地元鳥取県の大山バターがタップリ練り込まれて香ばしく、中に詰まった黄身餡はシットリやわらか。ホクホクとした食感にほのかな甘みとバターの香りが口中に広がる。地元名古屋のお菓子「なごやん」と少し似ている。

 こういったタイプのお菓子、普段はあまり口にすることがない。とても美味しいのだが、深夜のマンションで一人食すのは少々味気無く、不似合いな気もする。スナック菓子とビール、もしくはナッツとウィスキーなどの方が似合っている。単なる酒飲みか。

 「因幡の白うさぎ」。小春日和の午後、陽だまりの縁側に腰掛け庭木を眺め、膝で眠る猫の背などを撫でながら暖かいお茶といっしょにいただけたらさぞかし幸せな心持になれるのだろう。そんな事を空想していたら、それはそれで幸せな一時を過ごせた。