洞爺湖中島トレッキング


 勤め先の旅行で北海道に行ってきた。お昼過ぎに新千歳空港に到着。20年ぶり3回目の北海道は曇り空で迎えてくれた。空港からバスでおよそ2時間半、夕方5時頃ホテルに到着。この日の宿は洞爺湖を見下ろすザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ。吹き抜けの広大なロビー、シックで落ち着きのあるインテリア、さすがは2007年の洞爺湖サミットの会場となったホテルだ。この日の夕食はミシェル・ブラストーヤジャポンというレストランでの会食。4時間かけて本格フレンチを堪能した。

 翌日はフリーだったので、同僚と二人でトレッキングツアーに参加した。洞爺湖に浮ぶ中島は4つの島からなる。その中で最大の大島でエゾジカや巨木を見て回るツアーだ。緑で覆われた周囲9.6kmの大島にモーターボートで上陸すると、小さな売店横で早速エゾジカが迎えてくれた。大きな体に細い足、立派な角が目を引く。ガイドのF氏からこの島に住む動物や植物についての解説を聞きながら木々の間をゆっくりと登っていくと、自然の中へと帰ってきた気持ちになる。目の前をリスが走り抜けていった。この時期、動物たちは冬支度に大忙しなのだろう。洞爺湖は冬でも凍結しないのだが、積雪はかなりのものらしい。「エゾジカがいますね」F氏の指す方には高台から我々を見下ろすエゾジカが4頭。家族だろうか、じっとこちらの様子をうかがっている。彼らがいたあたりまで登っていくとすでにその姿は無かった。人に慣れてはいても基本的には野生のシカ。奈良公園のシカとは違う。1時間ほど歩くと見晴らしのよい平地に出た。大平原と呼ばれるこのエリアはなぜか木が育たず、ところどころに草が生えているだけ。左右の山に囲まれたこの大平原をパワースポットと呼ぶ人もいるそうだ。

 コースの終盤に古い栃の木があった。根元近くに大人一人くらいは入れるおおきな洞がある。樹齢何年なのかは分らないけれど、ずっと昔からこの島に根を張って枝を伸ばし、いくつもの冬を越えてきた栃の木。何十年か後、自分がこの世からいなくなってもこの木はここに立っていいるのだろう。イヌは人間の7倍のスピードで成長し死んでいくので、人の目からその一生はとても儚く見える。この栃の木からすれば、人間の一生も同様に見えるのだろうな・・・。そんな事を考えながらそっと木肌に触れてみた。

 生憎の空模様なので傘を片手にしてのおよそ二時間のトレッキング。運動不足のわが身には丁度良かった。この日歩いたコースにはウッドチップが敷き詰められていてとても歩きやすかった。地元の高校生ボランティアによるものらしい。北海道の大きな自然を観光資源として活用するための小さなボランティア、ありがたくその恩恵にあずかった。自然の懐に抱かれ、良い空気をタップリ吸った。これでまた年末まで全力疾走で頑張ることができるぞ。


ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン

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