甲子園


 夏の日の朝、6時半に自宅を出発し、甲子園球場へ向かった。お目当てはもちろん高校野球。この日は準々決勝の2試合。7時15分頃、レフト側外野席に腰を据え、とりあえず生ビールで喉を潤して試合開始を待つ。朝のビール、それも屋外でってのは格別だ。

 第一試合は光星学院(青森)対東洋大姫路(兵庫)。一塁側東洋大姫路の応援席は満員なのだが、光星学院の三塁側は4割程度の入り、青森から応援に来るというのはさぞかし大変なことなのだろう。先日の横浜ドライブの後、ボーっとしながらTVで光星学院の試合を見ていたので、選手達の名前に聞き覚えがある。レフト側にいたことも手伝い光星に肩入れしてしまう。試合は2−1で光星が勝利。一緒に喜ぶ。

 朝は薄曇りだったが、いつの間にか陽が射してきて暑い。第二試合は如水館(広島)対関西(岡山)、ビールは3杯目だ。3塁側関西の応援席、赤いTシャツを着た関西の学生さん達の応援がノリノリで、見ていて楽しい。一糸乱れぬ、という風では無いのだが、曲にあわせて盛り上がっている。そう言えば、高校野球の応援と言うと学ラン姿の応援団を思い出すのだが、この日の2試合ではついぞ見かけなかった。チアリーダーの姿はあったけれど、学ラン姿の応援団はもう過去のモノなのだろうか?試合は8−3で関西が勝利。ノリノリの応援は続くのだろう。

 世の中には高校野球ファンなる人達がいて、それぞれの視点から高校野球を楽しんでいるようだが、実は自分は高校野球にあまり興味がなかった。子供の頃から縁遠く、TVでもプロ野球はよく見たが高校野球はほとんど見た覚えがない。自分の通った高校には野球部が無かったからなおさらだ。しかしその一方で、20代の頃からだろうか、真夏のスタンドを埋め尽くす観衆の中に身を置き、間近で球児たちの真剣勝負を見てみたいとずっと思っていた。単なる気まぐれの淡い願望だったのだけれど、やっとかなったと思うと少し嬉しい。来年もまた観に行こう。