インフルエンザ

 「典型的な症状が出てますねぇ」(ギクッ!?)木曜の夜、日帰り出張の帰りに内科に立ち寄った。前日から体調がすぐれず、その日の出張先でもふりしぼるように取引先との面談を終え、フラフラ朦朧としながら大阪まで帰ってきたのだ。火曜日の晩、酔って布団もかけずに眠ってしまったので風邪をひいたのだと思っていた。検査の結果はA型インフルエンザ、そりゃしんどいはずだ。

 その日に面談した相手に電話をかけ、自分がインフルエンザに感染していた事を告げ詫びる。自分は始終マスクをしていたが、万一感染させてしまったとしたら責任を感じてしまう。「予防接種してますから大丈夫だと思いますよ」の一言に安堵する。

 金曜は勤めを休み、家で必要最低限の仕事をこなした後は寝て過ごした。熱は39度近くまで上がったのだが、前日ほどは辛くなかったのはタミフルのお陰だろう。まぁ、前日はパソコンの入った鞄を持って飛行機に乗り電車に乗りタクシーに乗り・・・という移動続きの一日だったのだから、辛くて当然か。晩には峠を越したと思えた。一夜明けた今日は熱も下がって頭もスッキリ、薬の効果はスゴイ。まだ食欲は無いが、洗濯をすることができた。週明けには仕事に出られそうだ。

 タミフルといっしょに処方された薬に「ホクナリンテープ2mg」というのがあった。飲むのではなく、肌に貼る「経皮吸収薬」。これを胸や背中、上腕部などに貼り付けると皮膚を介して薬効成分が血液中に吸収され、気管を広げて咳を止めてくれるのだ。経皮吸収薬の存在は知っていたけれど、自分で使うのは初めて。少しワクワクしながら包装のフイルムを破ると、およそ3cm角の四角いシールが出てきた。離けいフイルムをはがすと、ホクナリンテープの本体は薄っぺらで少し頼りない。丸まってしまわぬよう注意して胸に貼る。貼った部分から薬がジワジワしみこんできているはずなのだが、ほんのりと暖かいわけでもなければ、スーっとするわけでもない。体感できるものはゼロ、当然か。勝手にワクワクした自分が悪いのだけれど、経皮吸収薬の初体験は少々味気の無いものだった(笑)。しかし、薬を飲むのをいやがる子供や、胃腸の弱い人にとってはありがたいものなのだろう。「良薬口に苦し」というのは過去の事、「良薬肌に何ともなし」だ。