焼餃子


 プロフィールにも確か書いたと思うのだが、無類の餃子好きだ。実家が中華料理屋で、餃子を食べて育ったというわけではないし、中国で本場の餃子と衝撃の出会いをしたわけでもない。30代前半、まだ平社員だった頃の自分を可愛がってくれた先輩夫婦と、すぐ下の後輩とでよく餃子を食べに行ったのが始まりだ。餃子専門店、評判の人気店、何の変哲も無い町の中華料理屋…。餃子が美味しいと聞けば片っ端から行ってみた。地元の雑誌で「餃子の美味しい店特集」をやっていたので買ってみたら何と、殆どがそのメンバーで行ったことのある店ばかりだった(笑)。

 食べ比べてみるとわかるのだが、餃子といっても千差万別、店によって全く違う。中身を構成する具材が様々であるのは言うまでも無いが、同じ具材でも中身のバランスで味は全く変ってくるのだろう。肉のひき方、肉と野菜の比率、ニンニクや生姜の利かせ方などでもそうだ。具材の切り方が大きめだと素材それぞれの味が口の中で混ざり合う感じが楽しめるし、細かく刻み練られたパテ状の具は、皮の味と触感が楽しめる。皮の厚さ包み方、そして調理の方法の大切さは言うまでも無い。

 食べ歩きを始めた頃は「一番美味しい餃子を探すぞ!」と意気込んでいたのだけれど、早々にあきらめた。「普通の餃子」としか言えない餃子や、一口たべて「あ、パス!」という餃子もあったが、ある程度以上のお店はそれぞれが独自の美味しさを競っていた。それぞれ目指すところが違うのだろう。方針を変え「その日の気分に合わせて餃子をチョイスできるようになる」を目標にした。楽しい気分の餃子、ゆったりと味わう餃子、ビールをガブガブ飲むための餃子などなど、それなりのお店リストができた。

 餃子の定番といえば焼餃子なのだが、自分で焼くとなると結構難しく、失敗を恐れて敬遠しがちだ。敬愛するInnigさんがリクエストに応えて餃子の焼き方を紹介してくれた。単身赴任のキッチンには無かった窓の付いたフライパンのフタを買ってきて、指示の通りに焼いてみた。オススメのあぐー豚を使えなかったのが残念だが、タイミングを見計らって投入した仕上げのゴマ油の効果はスゴイ。本当に驚くほどパリッと仕上がった。少し焼きすぎてしまったと思ったが、反対側はプリップリで、ほんのりゴマの香りが食欲をそそる。休日の夜、ビールと共に美味しくいただいた。美味しい餃子に乾杯! & Innigさんに感謝!