万博記念公園


 1970年の大阪万博「EXPO'70」の跡地はその後整備され、公園になっている。秋晴れの休日、大阪モノレールに乗って行ってみた。万博記念公園駅からの道のりは休日を楽しむ家族連れが三々五々楽しげに歩いている。秋の陽を受けて太陽の塔が白く光っているのが見えるとやっぱり「芸術は爆発だ!」という気持ちになる。

 期間中6,400万人以上の人が訪れた万博の広大な敷地は40年後の現在、市民の憩いの地になっている。広大な敷地のそこかしこでレジャーシートを広げお弁当を食べている家族連れ、ウォーキングを楽しむ老夫婦、デートで訪れた若いカップル、走り回る子供たち・・・。「祭りの後」的な寂しさを想像していたのだがそんなことはなく、結構な賑わいだ。

 「EXPO’70パビリオン」という記念館があったので入ってみた。この建物、万博では日本鉄鋼連盟なる団体によるパビリオン「鉄鋼館」だったもの。映像と展示で大阪万博の決定から建設、会期中の賑わいやフィナーレまでが紹介されている。高度経済成長時代の日本の勢い、世界に肩を並べるべく万博を開催したパワー、そして東京ディズニーランドUSJも無かった当時、世紀の大イベントを一目見ようと日本中から駆けつけた人々、そんな時代の息吹が映像からも伝わってきた。当時自分は父親に連れられここに来ている。暑かったこと、行列に並んだこと、父親が水を買いに行き一人行列に残っていてとても不安になったことなど、いくつかの断片的な記憶が残っている。1時間半ほどかけてゆっくり見学した間、当時にタイムスリップしたような気持ちになった。

 記念館から外に出ると秋の日差しがまぶしかった。今自分が生きる21世紀は、当時描いた未来と比べてどれ程のものなのだろうか。実現した未来、実現できていない未来、そして想像もできなかった問題の数々。間違った方向へ進んでしまったのかも知れないが、当時は未来を描き、それに向かって突き進むパワーがあったように思う。今を生きる自分たちは未来を夢見ているだろうか?子供たちは未来を楽しみにしているのだろうか?そんな事を考えながら公園の北側にある日本庭園をゆっくり歩いた。木漏れ日と秋風を浴びながらのウォーキング、思いは過去と未来をさまよった。