『ミスト』

 2007年公開の映画『ミスト』を見た。原作はスティーブン・キング、「あなたは観た後に誰を想い、何を思うか−」「衝撃のラスト15分」予告編が印象的だった。

 主人公のディビッド役はトーマス・ジェーン。子煩悩な父親であり、どちらかというと口下手な芸術家といった役どころを見事に演じてくれている。子役のネイサン・ギャンブルは猛烈に可愛い男の子だ。

 嵐の翌朝、画家のディビッドと息子ビリーは買物のため車でスーパーマーケットに行くのだが、スーパーはいつしか謎の霧に包まれてしまう。血を流した老人がやってきて、霧の中には“何か”がいるから扉を閉めろという。迫り来る“何か”・・・。分からないってのは怖い。恐怖の中で、たまたまスーパーに居合わせた人々が運命をともにし、篭城することになる。このたまたま居合わせた人々ってのがくせ者。「恐怖を抱くと人は無法状態になる。粗暴で原始的に」「恐怖にさらされると、人はどんなことでもする。”解決策”を示す人物に見境もなく従ってしまう」深いセリフだ。そして夜、恐怖が現実となり、"何か"の姿が明らかになっていく。おぉ怖い。

 予告編にある「衝撃のラスト15分」については詳しく語らないが、確かに衝撃だ。お話は終るのだけれども、救われない。「えー!そうなのかよー」って感じ。ホラー映画なのだからそれも有りなのかと納得した。「人間」について、色々考えさせられる映画だ。

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