在宅勤務

 骨折&脱臼をしてから8日経った。左足はギプスで固められ、左腕は三角巾で吊られバンドで体に固定されている。じっとしていれば痛みもなく、普段と何ら違いのない状態だ。「じゃぁ仕事できるなぁ」「えぇ、できますよ」上司との電話のやり取り。怪我をしたその日のうちに、パソコンと最低限の資料とを自宅に取り寄せた。

 そんなわけで、不意に訪れた在宅勤務。土日をはさんで6日が経過した。朝食後の食卓に陣取りノートパソコンとシステム手帳を広げることで一日が始まる。感覚的には出張先のホテルや喫茶店で仕事をしているのと何ら変わらない。ちょっとまわりが雑然としているだけだ(笑)。携帯電話とメールのみでのやり取りだが、特に支障はない。価格や納期の調整、品質仕様決め、書類作り…。中には込み入った案件もあるので、会って話ができないのはやはりもどかしい。携帯で部下にアレコレ依頼し、ついでに相談を受ける。見積書を作成しメールで送信すると別の問いあわせメールが届いている。そんなこんなであっという間に一日が過ぎていく。終日居間のテーブルを占拠してワーワーやっているので、妻にしてみればイイ迷惑だろう(笑)。

 商社の営業なので、事務所にいないことは多い。自分が新人だった二十数年前は、出張が2-3日続くと、溜まった事務仕事や留守中にかかってきた電話への対応で、帰ってからがものすごく大変だった記憶があるが、今は携帯電話とノートPCさえあれば、どこにいても仕事ができてしまう。移動の時間中に事務仕事を片付け、メールを使って社内外への連絡や指示をするのも普通の事だ。『どこでもオフィス仕事術』という本を読んでから3年近く経ったが、今でも普通に「ノマド(=遊牧民)ワーキング」をしている。

 そもそも営業は外にでてナンボの商売。出張続きで事務所の席にいなくても、ある程度は仕事が回っていくよう、しくみ作りをやってきたが、それがこんな形で活きるとは思ってもみなかった。そんなこんなで、自分の仕事は問題ないとして、自分が骨を折って不在なのを良い事に、部下がこっそり骨休めをしていないか少々気になってきた。そろそろツッコミを入れてやらねば!