二匹の猫

 3ヶ月ぶりに鳥取県米子市へ行ってきた。高速バスを使って一泊二日の旅、病気療養中の弟を見舞う。昨年11月に訪れた時と比べて随分調子が良さそうで少し安堵した。

 弟は二匹の猫と暮している。一匹は黄色の縞猫。彼は若くて元気だ。やんちゃ盛りで、台所に跳び乗っては弟に叱られている。ゴミ箱からラップを引っ張り出してきては、じゃれて遊んでいる。腕白なくせに警戒心が強く、最初に訪問した時は2日間自分のいる部屋へは入ってこなかった。今回は初日からやって来てくれた。やっと覚えてくれたか。


 もう一匹は黒猫。おっとりとしたお爺さん猫で漆黒の毛並が美しい。初めて会ったときから警戒することなく寄ってきては体をスリスリしてきた。いたずらをすることもなく、始終マイペース。椅子の上のお気に入りの定位置を縞猫に横取りされても何処吹く風、実に堂々としている。

 二匹の世話をすることが弟にとって心の支えになっているように思える。離れて暮す自分にとってありがたい存在、「弟が世話になってるな」そんな気持ちになる。今回は一泊二日のバタバタ訪問。最近仕事が立て込んでいて、週末の休日出勤が何週も続いていた。見舞いを口実に逃げ出すように大阪を飛び出して来た。そんな自分を二匹の猫たちはタップリと癒してくれた。見舞ったのか見舞われたのか、よくわからないが、しっかりリフレッシュできたことは確か。また一週間頑張れそうだ。ありがとう、二匹の猫よ。